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2024.5.08

#17《大間々昂(音楽)×前田浩子(プロデューサー)》映画『青春18×2 君へと続く道』公開SP第2弾!映画の世界を彩る”音楽制作”の裏側

#17《大間々昂(音楽)×前田浩子(プロデューサー)》映画『青春18×2 君へと続く道』公開SP第2弾!映画の世界を彩る”音楽制作”の裏側

BABEL Wave#17

《内容》
・”過去と現在”音楽のコントラストについて
・監督と音楽、直接的なクリエイティブのぶつけ合い
・台湾現地での楽器探し
是非お聴きください🎧

視聴リンク
https://podcasters.spotify.com/pod/show/babel-label/episodes/17182-SP2-e2jd0mm

[文字起こし]

前田
はい、始まりました。BABEL WaveはコンテンツスタジオBABEL LABELのクリエイターが、今の時代の波を紹介する番組です。
今、旬の作品を取り上げていくこの番組は、前回「青春18×2君へと続く道」BABEL Waveスペシャル第1弾として監督の藤井道人を迎え、本作の制作の裏側を深堀してお話ししました。そちらも是非お聞き頂きたいのですが、 今回はその第2弾として、前回に引き続き本作でプロデューサーを務めましたBABEL LABELわたくし前田浩子と、そして本日のゲストに本作で音楽を担当して頂きました 大間々昂さんにお越し頂きました。大間々さん、よろしくお願いします。

大間々
音楽を担当した大間々昂です。よろしくお願いします。

前田
よろしくお願いします。ありがとうございます。
ではまず本作について簡単にご説明しますが、こちらBABEL LABEL初の国際プロジェクトの 日台合作の映画「青春18×2君へと続く道」ですが、こちらは台湾の俳優シュー・グァンハンさんと清原果耶さんW主演のもと、日本と台湾を舞台に、18年の時を経て繋がる初恋の記憶をたどる物語となっております。
先行しまして、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、カンボジア、ベトナムなどで公開が始まって、 もう台湾、ベトナム発信は第1位とスタートしまして、
またこの後も中国、韓国での公開も5月末に控えており、日本でもようやく先週5月3日金曜日に公開致しました。
そんな本作についてお話していくのですが、今回は公開後という事でネタバレも含まれますのでどうぞご注意ください。
今回も弊社の広報からいくつか質問が届いておりますので、それに沿ってお話していければと思います。
ではまず大間々さん。大間々さんというのもちょっとなんか改まった感じですけれども、なんか 弟のような息子のような感じなんで、まず本作完成した作品をご覧になってのご感想お聞かせください。

大間々
僕は結構作曲段階からもそうですし、ダビングでも相当な回数見てるんで、 普段だとこう、自分が担当した作品って客観的に見てしまう様なとこが場合によってはあるんですけど、なんか 本作は結構不思議と毎回心地よく見れたりとか、なんかこう泣けたりとか、なんかこうね、特にアミがジミーに電話するシーンとかはとてもぐっと毎回来るっていうか、 なんかそこ新鮮になんか見れるのが不思議だなと思いましたね。

前田
特に他に、そのアミのシーンであるとか、他に印象に残ってるシーン、ここがなんか残ってるなとか、見てびっくりしたとか、好きだったとか、特にありますか。

大間々
まず先ほど話したアミのシーンもそうなんですけども、あともう1つ、ジミーが電車に乗って、 白銀の世界をこうパッて見るシーンがあるんですけど、やっぱああいうシーンとか、主にその2つを見ながらテーマ曲の音楽のモチーフみたいのは作っていったので、その2つのシーンは結構僕の中では印象に残っていて。テーマ音楽に関しては、そこの2つのシーンを覚えてるというか。

前田
あと、今作は台湾と日本で撮っていて、例えば日本のシーンとか台湾のシーンとか、 なんとなく撮り方も、割と日本はちょっとブルーな感じっていうか、白い世界で、台湾はちょっとオレンジな感じっていう、ちょっとレンズも変えたり、色々撮り方も工夫してるんですけど、音楽もその辺は 2つの世界というか、2つの背景を凄く気にされたというか、意識されたとこありますか。

大間々
結構、過去と現在をお話の中で行き来するんですけど、 結構監督からも、やっぱりそこの音楽のコントラストみたいのははっきりつけたいから、そこを意識してくれっていう話は頂いていて、映像見ても、色味とかも全然違いますし。
だから、台湾のシーンに関しては、ちょっとこう、 あったかいじゃないですけど、ちょっと改装的なエモーショナルな部分とかもありつつ、それで撮影にちょっとご同行させて頂いたんですけども。で、そういう町の雰囲気とか、いろんなもの感じて、あと現地で楽器を買いまして、それを取り入れようと思ったんですけど、なんかあんまりこう、 現地の楽器を鳴らしたから=台湾っていうか、安易な感じにはしたくなかったんで、あんま直接的に凄く前面に出すというよりは、少し加工して使ったりとか、 普通じゃない使い方をしながら、ちょっと匂いとか香りみたいなとこだけこうプッシュするような形で、台湾のシーンについては音楽を作りまして。
で、現代は割と少し客観的だったりとかもするし、あとは、ジミー目線みたいな所はかなり意識しつつ。そういう差ははっきりつけていく方針で作りました。

前田
多分、編集していく中で音楽が入ってきて、凄い芝居がまた広がるというか更に切なくなるし、更にもどかしくなったりとか。だから今回やっぱり聞いて「やっぱりもうこの人しかいなかったな」って。

大間々
ありがとうございます。

前田
本当にもう最初から藤井監督、私の中ではもう大間々昂しかいないっていうのはあったし、誰に頼もうかって悩むことさえなかったという。問題は忙しいので大間々さんは、だからこれをやって頂くお時間と余裕があるだろうかっていうとこだけだったので、 私もね、こちらにどうやって出会ったんですか。って、今回お願いした理由はなんですか。っていうのが広報から来ているんですけど。私は実は映画監督の石川慶さんとも親交があって、で、慶さんが初めて長編映画取ります。ぜひ見てくださいって言って、 ご案内頂いて、拝見して。で、見て、私は2つびっくりやっぱりして、 それは音楽とカメラワークだったんですよね。だから私はどうでした。って言われて「いや、音楽とカメラワーク凄いね」って言って、監督的には「そっからですか」
っていう。
「いや、素晴らしかったな。この2つ」って言って、どうやってこの2人を採用したの?どこで出会ったの?みたいな。カメラマンはね、それこそ石川さんがずっとお勉強されてた所のポーランドの方で。で、 この音楽も大間々さんで、凄いなって。やっぱりあれも凄くて。それからしばらくして、たまたま私、割とテレビドラマもチェックする時に、なんか日本テレビの「校閲ガール」で「わ、可愛いこの音楽」と思ったんですよ。誰が作ってんだろうと見たら「大間々 昂、嘘だろ」って。思わずテレビの画面の前で「嘘だよ」って言っちゃって。なんでこのポップで可愛い音楽あって、もうまるで真逆というか。

大間々
そうです、確かにそうですね。

前田
だって、やっぱり「愚行録」という作品の音楽で、なんかやっぱり大間々さんの名前や評判は広まっていったから、その後なんかなんとなく、暗い映画というか、

大間々
ダーク系の…

前田
ダーク系の作品が凄く多くて、みんな「ダーク系は大間々昂に頼め」みたいになってたけど、石川さんに聞いたら「ううん、大間々さんは実はもっとポップで明るくて、元々昔バンドもやってたし、ロックもやってたし」って言って「え、そうなんだ」って言って、私、今映画を作るんだけど、もうこの作品はちょっとポップでセンス良くしたいから、 もうだったら、こんなにふり幅が広くて面白いんだったら、大間々さんに頼みたいから紹介してって言って、石川さんに紹介してもらった。

大間々
いや、めちゃくちゃ嬉しいです。s

前田
それで出会いましたよね。

大間々
そうですね。

前田
それであの時は、その作品も主題歌まで大間々さん作ってよってなって。あれはお金も本当に無いのにロンドンまで行きましたもんね。

大間々
ノリだけでいっちゃいましたね。

前田
本当にノリだけで。大間々さんがすごくやっぱりマネジメントにもわがままを、他のいろんな仕事の営業もしてくるからって言って行って、それでなんか凄く楽しい。なんか…

大間々
めちゃくちゃ楽しかったですし、あれからこう、色々ね、いろんな人間関係とか、仕事、映画に関わらず、ボーカリストの★テスト★さんとの出会いも含め、いろんな物が広がっていったんで

前田
そう、広がっていって、私は1日遅れて行って、私が到着した翌日か、その日の午後に会ったら「いや、ロンドン最高ですね。僕ロンドンに引っ越そうかなと思います。」「え、えっと家族がいるよね」みたいな話になって「1回ちょっと、家族も連れて視察に来ます」みたいになってたから、びっくりする位こんなにすぐ馴染むんだみたいな感じでいって、その後ね、コロナとかが…

大間々
そうですね。1回ちょっとね、色々中断しましたけど…

前田 浩子
中断しちゃいましたけど、だからなんか、それで、その後、私は藤井監督と「宇宙でいちばんあかるい屋根」をやる事になって。で、その時にも藤井監督にぜひ紹介したい作曲家がいますって。それまで彼もいろんな人とやってて「え。誰、誰?」って言って“大間々 昴さん”って言ったら「えー、★ヒキタさんの人だ」みたいになって「そうそうそう」って言って会ってから、なんか私以上になんかもうベタ惚れになって、 もういろんなお仕事、それ以来、もうなんか藤井組レギュラーみたいになっちゃいましたね。

大間々
いやもう、めちゃくちゃ嬉しいですね。年齢も凄いやっぱ近いし

前田
同じ世代ですもんね。で、今回はほら、カメラマンの今村圭介も同じだし

大間々
そうですね、編集の★古川くんも

前田
あ、そう、そうですね!みんな、そうですね。

大間々
みんな、なんか大体それ位の。なんか、部活とか、なんかサークルみたいな感じで。

前田
そうですよね、で、なんか私がPTAで…いや、そう、そうじゃない。それ監督にもやるんですけど。なんか、だからそんな感じで、わちゃわちゃやってる所に、私も 元々精神年齢が低いので、全然無理しなくてもあれなんですけども、みんなと、なんか…

大間々
そうですよね。めちゃくちゃ仲良く、いつもみんな、お互いにあんまり気を使わずに、ガンガンね、良い物作ろうみたいな。

前田
仕事っていうよりは、本当になんか部活っぽいですよね。

大間々
はい。突然ね、監督からもLINEで、なんかこの音楽作ってくれますか?みたいな。

前田
本当ですよね。本当すいません。それは思いつくとすぐ、大間々さんに。それで大間々さんから送られてくると「浩子さん、これ聞いて聞いて」って言て、 で、その後に“控えめに言って”ってそのフレーズあの人、好きなんですよ。「控えめに行って、天才です。」

大間々
もう本当、その、フレキシブルというか、もう、あんまりこう間に挟まずに、直接クリエイティブのぶつけ合いみたいなのが、 監督とは凄いスピード感で出来る。

前田
そうそう。で、監督も音楽大好きだから、割といろんなお願い事とかリクエストが、 私も端から一応プロデューサーとして一緒に監督といる中で、一応藤井がイニシアチブを持っていろんなリクエストを出す時に、なんかよりお願い事や方向性のメッセージが、なんかこう明確かなと。ですよね。

大間々
監督めちゃくちゃ忙しいから、多分そこで多分迷ったりとかする時間がないからこそ、多分凄い集中して、もうディレクションとか方向性も含めて明確に短い文章でスパンって言ってこられるんで、 作る方も凄い楽っていうと言い方あれですけど、なんか迷う事なく提案できるというか。

前田
いつもそれ驚くんですよね。監督がボール投げたら、投げ返すボールがまた凄い早い。だって、これだけをやってらっしゃるわけじゃないから。他も忙しいし。で、「いや僕、今実はレコーディング中で、家に帰るのが夜中の2時とか3時ですけど。 また明日の朝からまたこの続きの作業があるんだけど、その朝、明け方までにやります」って言うから私はもう本当にこっちから「申し訳ありません」あて深々頭を下げて。でも、ちゃんとして返してくださって、 なんか凄いなっていう。そこはいつも感謝もしてるけど、めちゃくちゃ驚いてます。

大間々
ありがとうございます。

前田
そう。だから、なんかその音楽制作秘話っていうのもそういう事ですよね。なんか色々細かい所は割ともう監督と直でLINEであったり電話であったり。で、私と宣伝部と色々話 してると「大間々さんにこれやってもらおうよ」みたいな事を監督が言って「僕すぐ電話する」とかって。動きが早くて電話したら、大間々さん今作業中だから、1時間後だったら捕まりますよみたいなこと言ったりして。
で、そうやって、なんか割となんて言うんでしょう、こうテンポ良くというか

大間々
そうですね。

前田
台湾もね、いらして頂いた時に、私が駅まで、台南の駅までお迎えに行って。そしたら、なんかスリッパみたいなので現れましたね。ペタペタペタって。

大間々
もうビーチサンダルみたいな

前田
凄い、なんか南国な感じでいってるなって。それから、たまたまその撮休があった時に、 ちょっと台湾の、いわゆるこう、民族楽器みたいなの探したいって言って、台南の街を2人で延々と歩きましたね。

大間々
5時間?6時間位歩いて。いろんな話しながら歩いて、

前田
いろんな話しながら歩いて、途中でちょっとお茶しながらいろんな楽器屋に入ると台南無くて、いやこれはもう台北に行かないとないよ。みたいな。

大間々
だからもう浩子nさんと5時間デートして終わったみたいな。

前田
そうそう、デートして終わって、で、私がたまたま帽子も日傘も被ってないから、唇がめっちゃ日焼けして バリバリになって大変だったっていう。でもその後、もう日本に帰られる前に台南に寄った時に、 台湾チームの美術のヤオくんが案内してくれて「浩子さん、凄い探してただけありました」ってなんかまたそれ動画で送ってくれて、

大間々
めちゃくちゃ楽しくて、で、ヤオくんと一緒にいろんな楽器触って、で、ヤオくんももちろんその映画の雰囲気とか空気感、セット作ってるから、全部わかってるから。で“ポロン”とか色んな音出して、2人ともある楽器を弾いた時に「これやばいね」みたいな、もう2人とも一致して「これだ」みたいな感じで。

前田
そう、なんかもう、2人がワクワク楽しそうに、なんか、子供がなんか探してたおもちゃを、おもちゃを見つけたおもちゃ屋さんから「こんな凄い」おもちゃ見つけたよって連絡してきてる動画が届いて、 凄いなと思った。それは台南の撮影現場からそれを見てたっていう感じでしたよね。

大間々
いろんな人の、こうね、助けがあって、あのね、楽器店にもたどり着いたりとかして、 なんか、ただ、こうね、あの映画の撮影か見学させてもらったっていうよりは、 もうそこでもいろんな出会いとか、なんかこう、クリエイティブな発想をもらったりとか、めちゃくちゃ行って良かったなと思って

前田
だから、あそこでも、もう普通にね、なんか現場でもちゃんとヘッドセットつけて、撮影も見てくださって、 多分1番中心で居てくださったのが、あそこのカラオケ屋の…

大間々
そうですね

前田
KTB神戸のところだ。 あそこって中々皆さんちょっと不便な場所だったんでね。来て貰いづらかったんだけど、そこまで来て頂いて…

大間々
めちゃくちゃ良かったです。

前田
あと、お誕生日だったんですよ。

大間々
そうなんですよね。

前田
台湾にていうか、台南中に。

大間々
そうそうそうそう

前田
みんなでコソコソケーキ持って、大間々さん来た来たって監督に持たせて。で、なんかこうハッピーバースデーもしましたね。

大間々
そうですね。でもあんまりこう、ああいう大人数で祝ってもらうみたいなのが無さすぎて、陰キャすぎて、もう喜び方が分かんなくて 戸惑ったの覚えてるんですけど。めっちゃ嬉しかったんですけど。

前田
びっくりしてもうキョトンとして、そうそうそう、みんなで「ハッピーバースデー」とか言って。

大間々
しかもあの時、まだ僕何も曲作ってないし、仕事してないから。ただ、居る人だからなんか、どうしてこんな祝ってもらって良い曲書けなかったらやばいな、みたいな。

前田
突然、神戸の所に行った時に、なんかちょうど、それこそドラマの「ファイトソング」でご一緒した果耶ちゃんが「 一瞬デジャブ。ここに居ないはずの人がいる」って「え。大間々さん!」みたいな、ちょっと騒いでましたよね。

大間々
そうそうそうそう。だから本当その「ファイトソング」とか色々やってた時は、結構なんかみんなマスクとかしてて

前田
そうそうそう、それで「初めて顔見ました」って。

大間々
そう、マスク取って「あ、大間々さんってそういう顔してたんだ」みたいな。どういう意味なんだろうとか、いろんな気持ちが…

前田
「大間々さんってそんな顔だったんだ、初めましてみたいな感じ」みたいな。ただ、全体の感情が「あれって浩子さん、大間々さんですか?」って。「そうだよ」って言ったら「えー!」ってなんか凄い驚いてて

大間々
清原さんとはなんか、たまたまご縁があって、いろんな作品…

前田
そう。「ファイトソング」やる時も清原さんのやるんですよってね、ご連絡頂いて。でもこの作品、キーフレーズが大好きです、私。やっぱり

大間々
あれはシンプルな

前田
シンプルだけど、何度も出てくるし、ちょっとアレンジも変えた形で。

大間々
あれが1番最初に監督が、 短いラッシュみたいのを作って、皆さんに見せる時に、そういうキーフレーズの音楽が欲しいって言ってて。で、もうずっと監督ってのはもう繊細で、 なんかこう、エモーショナルなやつって凄い言われてたんで、で、もう耳に残るメロディー。

前田
そう、あれ、優しいし、だから使い方とかアレンジで 凄く儚げだったり、切なかったり、優しかったり、温かかったり、なんか、不思議なメロディーラインだなと思って、色々、なんか使い勝手の良いというか…ですよね?

大間々
で、しかもあの時、多分、別作品監督ともやってて、で、その作品もやりつつ、その作品の、なんか多分試写とか、なんか、ラッシュかなんか、一緒に見て、その作品も結構頑張ってて、その時に「明後日位までに出来ますかね」みたいな。

前田
凄い、ちょっと、こそっと言うでしょ、多分ね、凄く言いづらかったんだと思う

大間々
でも、もうその話をして、帰り、そん時はバイクで行っていて、帰るまでにその道の間でもうその曲、メロディーがすぐ出来たんで、危ねぇと思って。

前田
いや、危ないじゃなくてこっちですよ。危ない人達はいつもそんな無茶ぶりしてね。申し訳ない、本当に。

大間々
でもだから、凄い時間があればいいメロディが出来るってわけじゃないんで。やっぱそのね、監督とのこうやり取りとか、そこで生まれたクリエイティブでポンってね、出来たりとかするんで。 逆に緊張感がある中でこう出来たからこそ、思い浮かんだのかなとか思いますけど。

前田
私は今回、やっぱり大間々昴と今村圭介は神がかってるなと思ったんです。本当に。ありがとうございます。

大間々
いや、こちらこそありがとうございます。

前田
じゃあ、大間々さん、もうなんかあっという間で、なんかそろそろお時間になってきたので、これから映画ご覧になる方、もうご覧になった方もいっぱいいるんですけども、まだまだこれからたくさんの方に見ていただきたい。その方たちに向かって一言お願いします。

大間々
映画の中で、アミとジミーがデートして、で、映画館見に行って、 なんかラブレターっていう岩井俊二さんの作品を見るっていうシーンがあるんですけど、なんか結構大事な映画じゃないですか、2人にとって。だからなんかこの映画もそういう、誰かが見て、あの映画なんか自分の中で良い作品になったなとか大事だなみたいな作品になったら、もう作り手としてはめちゃくちゃ嬉しいなと思うんで、楽しんで頂けたらと思います。

前田
もう見て頂いた方達からも絶賛されている大間々昴さんの音楽が彩られている映画「青春18×2君へと続く道」は5月3日にスタートし、全国の劇場で絶賛公開中です。ぜひ皆様、お誘い合わせの上、劇場まで足をお運びください。
本日のBABEL Waveは、音楽の大間々昴さんと私、プロデューサー前田浩子でお送りいたしました。ありがとうございました。

大間々
ありがとうございました。

BABEL Wave#17

《内容》
・”過去と現在”音楽のコントラストについて
・監督と音楽、直接的なクリエイティブのぶつけ合い
・台湾現地での楽器探し
是非お聴きください🎧

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https://podcasters.spotify.com/pod/show/babel-label/episodes/17182-SP2-e2jd0mm

[文字起こし]

前田
はい、始まりました。BABEL WaveはコンテンツスタジオBABEL LABELのクリエイターが、今の時代の波を紹介する番組です。
今、旬の作品を取り上げていくこの番組は、前回「青春18×2君へと続く道」BABEL Waveスペシャル第1弾として監督の藤井道人を迎え、本作の制作の裏側を深堀してお話ししました。そちらも是非お聞き頂きたいのですが、 今回はその第2弾として、前回に引き続き本作でプロデューサーを務めましたBABEL LABELわたくし前田浩子と、そして本日のゲストに本作で音楽を担当して頂きました 大間々昂さんにお越し頂きました。大間々さん、よろしくお願いします。

大間々
音楽を担当した大間々昂です。よろしくお願いします。

前田
よろしくお願いします。ありがとうございます。
ではまず本作について簡単にご説明しますが、こちらBABEL LABEL初の国際プロジェクトの 日台合作の映画「青春18×2君へと続く道」ですが、こちらは台湾の俳優シュー・グァンハンさんと清原果耶さんW主演のもと、日本と台湾を舞台に、18年の時を経て繋がる初恋の記憶をたどる物語となっております。
先行しまして、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、カンボジア、ベトナムなどで公開が始まって、 もう台湾、ベトナム発信は第1位とスタートしまして、
またこの後も中国、韓国での公開も5月末に控えており、日本でもようやく先週5月3日金曜日に公開致しました。
そんな本作についてお話していくのですが、今回は公開後という事でネタバレも含まれますのでどうぞご注意ください。
今回も弊社の広報からいくつか質問が届いておりますので、それに沿ってお話していければと思います。
ではまず大間々さん。大間々さんというのもちょっとなんか改まった感じですけれども、なんか 弟のような息子のような感じなんで、まず本作完成した作品をご覧になってのご感想お聞かせください。

大間々
僕は結構作曲段階からもそうですし、ダビングでも相当な回数見てるんで、 普段だとこう、自分が担当した作品って客観的に見てしまう様なとこが場合によってはあるんですけど、なんか 本作は結構不思議と毎回心地よく見れたりとか、なんかこう泣けたりとか、なんかこうね、特にアミがジミーに電話するシーンとかはとてもぐっと毎回来るっていうか、 なんかそこ新鮮になんか見れるのが不思議だなと思いましたね。

前田
特に他に、そのアミのシーンであるとか、他に印象に残ってるシーン、ここがなんか残ってるなとか、見てびっくりしたとか、好きだったとか、特にありますか。

大間々
まず先ほど話したアミのシーンもそうなんですけども、あともう1つ、ジミーが電車に乗って、 白銀の世界をこうパッて見るシーンがあるんですけど、やっぱああいうシーンとか、主にその2つを見ながらテーマ曲の音楽のモチーフみたいのは作っていったので、その2つのシーンは結構僕の中では印象に残っていて。テーマ音楽に関しては、そこの2つのシーンを覚えてるというか。

前田
あと、今作は台湾と日本で撮っていて、例えば日本のシーンとか台湾のシーンとか、 なんとなく撮り方も、割と日本はちょっとブルーな感じっていうか、白い世界で、台湾はちょっとオレンジな感じっていう、ちょっとレンズも変えたり、色々撮り方も工夫してるんですけど、音楽もその辺は 2つの世界というか、2つの背景を凄く気にされたというか、意識されたとこありますか。

大間々
結構、過去と現在をお話の中で行き来するんですけど、 結構監督からも、やっぱりそこの音楽のコントラストみたいのははっきりつけたいから、そこを意識してくれっていう話は頂いていて、映像見ても、色味とかも全然違いますし。
だから、台湾のシーンに関しては、ちょっとこう、 あったかいじゃないですけど、ちょっと改装的なエモーショナルな部分とかもありつつ、それで撮影にちょっとご同行させて頂いたんですけども。で、そういう町の雰囲気とか、いろんなもの感じて、あと現地で楽器を買いまして、それを取り入れようと思ったんですけど、なんかあんまりこう、 現地の楽器を鳴らしたから=台湾っていうか、安易な感じにはしたくなかったんで、あんま直接的に凄く前面に出すというよりは、少し加工して使ったりとか、 普通じゃない使い方をしながら、ちょっと匂いとか香りみたいなとこだけこうプッシュするような形で、台湾のシーンについては音楽を作りまして。
で、現代は割と少し客観的だったりとかもするし、あとは、ジミー目線みたいな所はかなり意識しつつ。そういう差ははっきりつけていく方針で作りました。

前田
多分、編集していく中で音楽が入ってきて、凄い芝居がまた広がるというか更に切なくなるし、更にもどかしくなったりとか。だから今回やっぱり聞いて「やっぱりもうこの人しかいなかったな」って。

大間々
ありがとうございます。

前田
本当にもう最初から藤井監督、私の中ではもう大間々昂しかいないっていうのはあったし、誰に頼もうかって悩むことさえなかったという。問題は忙しいので大間々さんは、だからこれをやって頂くお時間と余裕があるだろうかっていうとこだけだったので、 私もね、こちらにどうやって出会ったんですか。って、今回お願いした理由はなんですか。っていうのが広報から来ているんですけど。私は実は映画監督の石川慶さんとも親交があって、で、慶さんが初めて長編映画取ります。ぜひ見てくださいって言って、 ご案内頂いて、拝見して。で、見て、私は2つびっくりやっぱりして、 それは音楽とカメラワークだったんですよね。だから私はどうでした。って言われて「いや、音楽とカメラワーク凄いね」って言って、監督的には「そっからですか」
っていう。
「いや、素晴らしかったな。この2つ」って言って、どうやってこの2人を採用したの?どこで出会ったの?みたいな。カメラマンはね、それこそ石川さんがずっとお勉強されてた所のポーランドの方で。で、 この音楽も大間々さんで、凄いなって。やっぱりあれも凄くて。それからしばらくして、たまたま私、割とテレビドラマもチェックする時に、なんか日本テレビの「校閲ガール」で「わ、可愛いこの音楽」と思ったんですよ。誰が作ってんだろうと見たら「大間々 昂、嘘だろ」って。思わずテレビの画面の前で「嘘だよ」って言っちゃって。なんでこのポップで可愛い音楽あって、もうまるで真逆というか。

大間々
そうです、確かにそうですね。

前田
だって、やっぱり「愚行録」という作品の音楽で、なんかやっぱり大間々さんの名前や評判は広まっていったから、その後なんかなんとなく、暗い映画というか、

大間々
ダーク系の…

前田
ダーク系の作品が凄く多くて、みんな「ダーク系は大間々昂に頼め」みたいになってたけど、石川さんに聞いたら「ううん、大間々さんは実はもっとポップで明るくて、元々昔バンドもやってたし、ロックもやってたし」って言って「え、そうなんだ」って言って、私、今映画を作るんだけど、もうこの作品はちょっとポップでセンス良くしたいから、 もうだったら、こんなにふり幅が広くて面白いんだったら、大間々さんに頼みたいから紹介してって言って、石川さんに紹介してもらった。

大間々
いや、めちゃくちゃ嬉しいです。s

前田
それで出会いましたよね。

大間々
そうですね。

前田
それであの時は、その作品も主題歌まで大間々さん作ってよってなって。あれはお金も本当に無いのにロンドンまで行きましたもんね。

大間々
ノリだけでいっちゃいましたね。

前田
本当にノリだけで。大間々さんがすごくやっぱりマネジメントにもわがままを、他のいろんな仕事の営業もしてくるからって言って行って、それでなんか凄く楽しい。なんか…

大間々
めちゃくちゃ楽しかったですし、あれからこう、色々ね、いろんな人間関係とか、仕事、映画に関わらず、ボーカリストの★テスト★さんとの出会いも含め、いろんな物が広がっていったんで

前田
そう、広がっていって、私は1日遅れて行って、私が到着した翌日か、その日の午後に会ったら「いや、ロンドン最高ですね。僕ロンドンに引っ越そうかなと思います。」「え、えっと家族がいるよね」みたいな話になって「1回ちょっと、家族も連れて視察に来ます」みたいになってたから、びっくりする位こんなにすぐ馴染むんだみたいな感じでいって、その後ね、コロナとかが…

大間々
そうですね。1回ちょっとね、色々中断しましたけど…

前田 浩子
中断しちゃいましたけど、だからなんか、それで、その後、私は藤井監督と「宇宙でいちばんあかるい屋根」をやる事になって。で、その時にも藤井監督にぜひ紹介したい作曲家がいますって。それまで彼もいろんな人とやってて「え。誰、誰?」って言って“大間々 昴さん”って言ったら「えー、★ヒキタさんの人だ」みたいになって「そうそうそう」って言って会ってから、なんか私以上になんかもうベタ惚れになって、 もういろんなお仕事、それ以来、もうなんか藤井組レギュラーみたいになっちゃいましたね。

大間々
いやもう、めちゃくちゃ嬉しいですね。年齢も凄いやっぱ近いし

前田
同じ世代ですもんね。で、今回はほら、カメラマンの今村圭介も同じだし

大間々
そうですね、編集の★古川くんも

前田
あ、そう、そうですね!みんな、そうですね。

大間々
みんな、なんか大体それ位の。なんか、部活とか、なんかサークルみたいな感じで。

前田
そうですよね、で、なんか私がPTAで…いや、そう、そうじゃない。それ監督にもやるんですけど。なんか、だからそんな感じで、わちゃわちゃやってる所に、私も 元々精神年齢が低いので、全然無理しなくてもあれなんですけども、みんなと、なんか…

大間々
そうですよね。めちゃくちゃ仲良く、いつもみんな、お互いにあんまり気を使わずに、ガンガンね、良い物作ろうみたいな。

前田
仕事っていうよりは、本当になんか部活っぽいですよね。

大間々
はい。突然ね、監督からもLINEで、なんかこの音楽作ってくれますか?みたいな。

前田
本当ですよね。本当すいません。それは思いつくとすぐ、大間々さんに。それで大間々さんから送られてくると「浩子さん、これ聞いて聞いて」って言て、 で、その後に“控えめに言って”ってそのフレーズあの人、好きなんですよ。「控えめに行って、天才です。」

大間々
もう本当、その、フレキシブルというか、もう、あんまりこう間に挟まずに、直接クリエイティブのぶつけ合いみたいなのが、 監督とは凄いスピード感で出来る。

前田
そうそう。で、監督も音楽大好きだから、割といろんなお願い事とかリクエストが、 私も端から一応プロデューサーとして一緒に監督といる中で、一応藤井がイニシアチブを持っていろんなリクエストを出す時に、なんかよりお願い事や方向性のメッセージが、なんかこう明確かなと。ですよね。

大間々
監督めちゃくちゃ忙しいから、多分そこで多分迷ったりとかする時間がないからこそ、多分凄い集中して、もうディレクションとか方向性も含めて明確に短い文章でスパンって言ってこられるんで、 作る方も凄い楽っていうと言い方あれですけど、なんか迷う事なく提案できるというか。

前田
いつもそれ驚くんですよね。監督がボール投げたら、投げ返すボールがまた凄い早い。だって、これだけをやってらっしゃるわけじゃないから。他も忙しいし。で、「いや僕、今実はレコーディング中で、家に帰るのが夜中の2時とか3時ですけど。 また明日の朝からまたこの続きの作業があるんだけど、その朝、明け方までにやります」って言うから私はもう本当にこっちから「申し訳ありません」あて深々頭を下げて。でも、ちゃんとして返してくださって、 なんか凄いなっていう。そこはいつも感謝もしてるけど、めちゃくちゃ驚いてます。

大間々
ありがとうございます。

前田
そう。だから、なんかその音楽制作秘話っていうのもそういう事ですよね。なんか色々細かい所は割ともう監督と直でLINEであったり電話であったり。で、私と宣伝部と色々話 してると「大間々さんにこれやってもらおうよ」みたいな事を監督が言って「僕すぐ電話する」とかって。動きが早くて電話したら、大間々さん今作業中だから、1時間後だったら捕まりますよみたいなこと言ったりして。
で、そうやって、なんか割となんて言うんでしょう、こうテンポ良くというか

大間々
そうですね。

前田
台湾もね、いらして頂いた時に、私が駅まで、台南の駅までお迎えに行って。そしたら、なんかスリッパみたいなので現れましたね。ペタペタペタって。

大間々
もうビーチサンダルみたいな

前田
凄い、なんか南国な感じでいってるなって。それから、たまたまその撮休があった時に、 ちょっと台湾の、いわゆるこう、民族楽器みたいなの探したいって言って、台南の街を2人で延々と歩きましたね。

大間々
5時間?6時間位歩いて。いろんな話しながら歩いて、

前田
いろんな話しながら歩いて、途中でちょっとお茶しながらいろんな楽器屋に入ると台南無くて、いやこれはもう台北に行かないとないよ。みたいな。

大間々
だからもう浩子nさんと5時間デートして終わったみたいな。

前田
そうそう、デートして終わって、で、私がたまたま帽子も日傘も被ってないから、唇がめっちゃ日焼けして バリバリになって大変だったっていう。でもその後、もう日本に帰られる前に台南に寄った時に、 台湾チームの美術のヤオくんが案内してくれて「浩子さん、凄い探してただけありました」ってなんかまたそれ動画で送ってくれて、

大間々
めちゃくちゃ楽しくて、で、ヤオくんと一緒にいろんな楽器触って、で、ヤオくんももちろんその映画の雰囲気とか空気感、セット作ってるから、全部わかってるから。で“ポロン”とか色んな音出して、2人ともある楽器を弾いた時に「これやばいね」みたいな、もう2人とも一致して「これだ」みたいな感じで。

前田
そう、なんかもう、2人がワクワク楽しそうに、なんか、子供がなんか探してたおもちゃを、おもちゃを見つけたおもちゃ屋さんから「こんな凄い」おもちゃ見つけたよって連絡してきてる動画が届いて、 凄いなと思った。それは台南の撮影現場からそれを見てたっていう感じでしたよね。

大間々
いろんな人の、こうね、助けがあって、あのね、楽器店にもたどり着いたりとかして、 なんか、ただ、こうね、あの映画の撮影か見学させてもらったっていうよりは、 もうそこでもいろんな出会いとか、なんかこう、クリエイティブな発想をもらったりとか、めちゃくちゃ行って良かったなと思って

前田
だから、あそこでも、もう普通にね、なんか現場でもちゃんとヘッドセットつけて、撮影も見てくださって、 多分1番中心で居てくださったのが、あそこのカラオケ屋の…

大間々
そうですね

前田
KTB神戸のところだ。 あそこって中々皆さんちょっと不便な場所だったんでね。来て貰いづらかったんだけど、そこまで来て頂いて…

大間々
めちゃくちゃ良かったです。

前田
あと、お誕生日だったんですよ。

大間々
そうなんですよね。

前田
台湾にていうか、台南中に。

大間々
そうそうそうそう

前田
みんなでコソコソケーキ持って、大間々さん来た来たって監督に持たせて。で、なんかこうハッピーバースデーもしましたね。

大間々
そうですね。でもあんまりこう、ああいう大人数で祝ってもらうみたいなのが無さすぎて、陰キャすぎて、もう喜び方が分かんなくて 戸惑ったの覚えてるんですけど。めっちゃ嬉しかったんですけど。

前田
びっくりしてもうキョトンとして、そうそうそう、みんなで「ハッピーバースデー」とか言って。

大間々
しかもあの時、まだ僕何も曲作ってないし、仕事してないから。ただ、居る人だからなんか、どうしてこんな祝ってもらって良い曲書けなかったらやばいな、みたいな。

前田
突然、神戸の所に行った時に、なんかちょうど、それこそドラマの「ファイトソング」でご一緒した果耶ちゃんが「 一瞬デジャブ。ここに居ないはずの人がいる」って「え。大間々さん!」みたいな、ちょっと騒いでましたよね。

大間々
そうそうそうそう。だから本当その「ファイトソング」とか色々やってた時は、結構なんかみんなマスクとかしてて

前田
そうそうそう、それで「初めて顔見ました」って。

大間々
そう、マスク取って「あ、大間々さんってそういう顔してたんだ」みたいな。どういう意味なんだろうとか、いろんな気持ちが…

前田
「大間々さんってそんな顔だったんだ、初めましてみたいな感じ」みたいな。ただ、全体の感情が「あれって浩子さん、大間々さんですか?」って。「そうだよ」って言ったら「えー!」ってなんか凄い驚いてて

大間々
清原さんとはなんか、たまたまご縁があって、いろんな作品…

前田
そう。「ファイトソング」やる時も清原さんのやるんですよってね、ご連絡頂いて。でもこの作品、キーフレーズが大好きです、私。やっぱり

大間々
あれはシンプルな

前田
シンプルだけど、何度も出てくるし、ちょっとアレンジも変えた形で。

大間々
あれが1番最初に監督が、 短いラッシュみたいのを作って、皆さんに見せる時に、そういうキーフレーズの音楽が欲しいって言ってて。で、もうずっと監督ってのはもう繊細で、 なんかこう、エモーショナルなやつって凄い言われてたんで、で、もう耳に残るメロディー。

前田
そう、あれ、優しいし、だから使い方とかアレンジで 凄く儚げだったり、切なかったり、優しかったり、温かかったり、なんか、不思議なメロディーラインだなと思って、色々、なんか使い勝手の良いというか…ですよね?

大間々
で、しかもあの時、多分、別作品監督ともやってて、で、その作品もやりつつ、その作品の、なんか多分試写とか、なんか、ラッシュかなんか、一緒に見て、その作品も結構頑張ってて、その時に「明後日位までに出来ますかね」みたいな。

前田
凄い、ちょっと、こそっと言うでしょ、多分ね、凄く言いづらかったんだと思う

大間々
でも、もうその話をして、帰り、そん時はバイクで行っていて、帰るまでにその道の間でもうその曲、メロディーがすぐ出来たんで、危ねぇと思って。

前田
いや、危ないじゃなくてこっちですよ。危ない人達はいつもそんな無茶ぶりしてね。申し訳ない、本当に。

大間々
でもだから、凄い時間があればいいメロディが出来るってわけじゃないんで。やっぱそのね、監督とのこうやり取りとか、そこで生まれたクリエイティブでポンってね、出来たりとかするんで。 逆に緊張感がある中でこう出来たからこそ、思い浮かんだのかなとか思いますけど。

前田
私は今回、やっぱり大間々昴と今村圭介は神がかってるなと思ったんです。本当に。ありがとうございます。

大間々
いや、こちらこそありがとうございます。

前田
じゃあ、大間々さん、もうなんかあっという間で、なんかそろそろお時間になってきたので、これから映画ご覧になる方、もうご覧になった方もいっぱいいるんですけども、まだまだこれからたくさんの方に見ていただきたい。その方たちに向かって一言お願いします。

大間々
映画の中で、アミとジミーがデートして、で、映画館見に行って、 なんかラブレターっていう岩井俊二さんの作品を見るっていうシーンがあるんですけど、なんか結構大事な映画じゃないですか、2人にとって。だからなんかこの映画もそういう、誰かが見て、あの映画なんか自分の中で良い作品になったなとか大事だなみたいな作品になったら、もう作り手としてはめちゃくちゃ嬉しいなと思うんで、楽しんで頂けたらと思います。

前田
もう見て頂いた方達からも絶賛されている大間々昴さんの音楽が彩られている映画「青春18×2君へと続く道」は5月3日にスタートし、全国の劇場で絶賛公開中です。ぜひ皆様、お誘い合わせの上、劇場まで足をお運びください。
本日のBABEL Waveは、音楽の大間々昴さんと私、プロデューサー前田浩子でお送りいたしました。ありがとうございました。

大間々
ありがとうございました。