BABEL Wave#25
《内容》
・「量産型リコ」「あの子の子ども」裏ばなし
・口癖の裏側に隠された監督魂、アベラヒデノブの演出について
・前田旺志郎さんのお芝居の”スパイス”について
・「量産型リコ」シーズン1〜シーズン3で変わったこと&変わらないこと
是非お聴きください🎧
視聴リンク
https://spotifyanchor-web.app.link/e/ExvQxH5UBMb
[文字起こし]
畑中
始まりましたBABEL Wave。BABEL Waveは、コンテンツスタジオBABEL LABELのクリエイターが今の時代の波を紹介する番組です。今、旬の作品を取り上げていくこの番組、今回は私BABEL LABELの企画プロデューサー、脚本家の畑中翔太と、同じくBABEL LABEL所属の監督アベラヒデノブさん、そしてゲストに俳優の前田旺志郎さんをお呼びしております。今回、前半、後半と2回に渡ってお送りさせていただきます。お二人様よろしくお願いします。
アベラ
よろしくお願いします。
前田
お願いします。
畑中
まず、そしたらアベラさん。
アベラ
BABEL LABELのディレクター、監督のアベラヒデノブです。この度は、お呼びいただき誠にありがとうございます。はい、では旺志郎くん。
前田
そんな固いテンションなんですか。
アベラ
ちょっと馴染んでこう、じゃあ旺志郎さん。
前田
松竹エンターテインメント所属の前田旺志郎と申します。
畑中
所属も言うの?
前田
この度は、お呼びいただき本当にありがとうございます。今日は短い時間ですが、この時間の中でたくさんのことを話していければなという風に思っております。どうかよろしくお願いします。
畑中
凄い、結婚式みたい。よろしくお願いします。そんな難いあれじゃない。まぁあれっすね、この3人は知った仲でもあるから。
前田
そうですね。
畑中
ふざけちゃったんですけど。
アベラ
もうちょっと軽くやりますか。
畑中
これ、あれですね。そのBABEL WaveっていうBABEL LABELがやっているこのポッドキャストで色々作品の裏側を色々話していく。それで今回、僕とアベラさんはBABEL所属ですけども、前田旺志郎さんがここに来ていただいてるのは、僕が企画、脚本を務めている「量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-」今、放送中ですけども、それと本当にまさに同時タイミングで放送している、アベラさんがチーフ監督を務めるドラマ「あの子の子ども」の両方に実は旺志郎くんが出ていると。
前田
ありがとうございます。
畑中
股を掛けてこう…
アベラ
そうですね、
畑中
出ているっていう。
アベラ
いや嬉しいですね。
畑中
本当に同タイミングでたまたま。
前田
そうですね。
畑中
なんかそれ僕も現場で知って、そうなのみたいな。
前田
ね、そうですよね。
畑中
って話から、今回じゃあ一緒に話しましょうかみたいな事になっているんです。ということで、なんか色々それぞれの作品の話とかをクロストークしてくださいって書いてあるのでクロストークしましょう。で、こうトピック案みたいなのあるんですけど、まず最近どうでしたかっていう。
アベラ
ちゃんと読むんですね。
畑中
かなりざっくりした
アベラ
最近どうでしたか。僕はですね、先週撮影がオールアップしまして、クランクアップ。
畑中
この「あの子の子ども」の?
アベラ
そうですね
畑中
結構ギリっすね。
アベラ
いやギリというか、そうですね。今が7話が放送終わって、次8話が放送されるんですけど、そういう意味で言うと、いわゆるテレビドラマらしくしっかりとですね、頑張って
畑中
追われながら、テレビドラマらしくギリギリを攻めて。
アベラ
そうですね。やっぱりクオリティのためにギリギリを攻めて。ほんとに感動的なね、すごく「量産型リコ」で出会ったんで僕、旺志郎くんは。
前田
あ、そうですね。
アベラ
はい。それをきっかけに、
畑中
3年前…
アベラ
2年前ですね。意外とそうですね、2年前。もっと前に感じますね。
前田
ほんまですね、確かに。
畑中
コロナがすごかった時期
前田
そうですよね、そうだそうだ。
アベラ
そうですね。シーズン3ですもんね「量産型リコ」
畑中
そうですね。今はシーズン3ですけど、旺志郎くんとアベラさんと3人でやったのはシーズン1の時。で、僕も多分初めてで、
前田
そうですね
畑中
で、ちょっとヒール役だったというか、
前田
はい、一応そうか。そうです、最初は嫌なやつでしたよね。
アベラ
主人公に突っかかって、突っかかって、
畑中
そう。で、リコちゃんに突っかかる浅井っていう同僚みたいな設定で、難しいけど面白かったというか。
前田
そうですね、中々しかもこう僕自身ヒールというか、ああいうツンケン、ツンケンした役、中々やらせていただく機会がなかったので、
アベラ
それまでなかったんですか。
前田
あんまなかったですね。
アベラ
なんか「量産型リコ」以降、なんか旺志郎くんがいろんなドラマね、拝見させていただいてるんですけど、やっぱ主人公の突っかかっていく友達役、右に出るものいない感じのポジションにちょっと入ってきてますよね。
前田
そうですかね。
アベラ
はい。
前田
繋がってんのかな。
アベラ
いろんなドラマで見るんですけど、やっぱ最初ものすごい突っかかっていくんですよ。で、何を隠す「あの子の子ども」でもね、
前田
そうですね
アベラ
基本的に最初、結構突っかかってくる。良い奴なのは、もう透けて見えるんですけど、突っかかって…
畑中
そういう演出をしようとしてるんじゃないんですか。
アベラ
追ってる?突っかからせ。突っかからせたらやっぱ面白いじゃないですか。で、浅井というね「量産型リコ」の時も最初は、僕は大好きでしたよ。うざくてうざくて。
畑中
そうですね。
前田
1話強烈でした。
アベラ
強烈でした。
畑中
で、最後9話に浅井回みたいなのがあって、未だにやっぱ伝説の回だな。
前田
いやいやいや。
畑中
ジム
アベラ
そうですね
畑中
ジムっていう。だから会社の中でガンダムになろうと思ったら、実は似たような量産型のジムだったっていうことに気づくっていう。全サラリーマンが泣くって噂の、
アベラ
コンセプトから最強ではあるんですけど、
前田
そうですね
アベラ
それをこうね、みんなで本作って、畑中さんともそのプロデューサーと一緒に、こう編集時とかね、撮影時もそうですよね。旺志郎くんがちょっと熱いものがもう抑えても抑えても溢れ出す、ちょっとなんかね、体中の水分出てるんちゃうっていう。
前田
びっちょびちょになりながら。
アベラ
そうそう。なんかやっぱそういう瞬間の、みんな手伝って、だから編集で仕上がった時はなんかね、とんでもないもんできたんじゃないかって感覚になったの覚えてます。
畑中
すごい素敵でしたよ。
前田
でもなんかあれ、最初こう9話の脚本いただいて、すごいね、いい話だったし、すごい素敵な話やなと思ってたんですけど、文字面だけでね読むと、あそこの1番最後プラモを作って、ガンダムやと思って作ってて、頭をはめたらジムやったっていう、その文面だけで読むとむちゃくちゃおもろくて、その頭をはめた瞬間に涙を流す浅井って書いてて、これ俺はできるのか果たしてと思って。
アベラ
文字面だけ見るとね
前田
そう。実際ね、画になるとすごく素敵な回やったんですけど、文字面だけで読むとむちゃくちゃで、
畑中
制作準備上やってる時に、その首から作ってく途中でこれ気付きます、みたいな話が。
さすがにこれはガンダムじゃないって気づきます、さぁどうするかみたいな。勝手にイメージで…
アベラ
それでもやろうってなったの、どうしてでしたっけ。
畑中
だからなんかこのパーツはあんまり見せないようにしようとか。
アベラ
結構ね、撮り方で
畑中
そうですね。ここ見せるとバレるとか。
アベラ
はいはいはい、浅井も夢中で作ってるから。
畑中
そう、夢中で作ってるから。あれはでもアベラさんの演出もすごい生きてたというか。
アベラ
うまくね、最後僕も…だからギャップ、振り幅というか、でも振りが面白すぎるんで。俺はガンダムだと思ってたっていう。そう、ガンダムキャラがジムだったっていう…
畑中
あの時が旺志郎くんはアベラさん初めて?
前田
そうです
畑中
最初の印象はどんな感じなんですか。
前田
アベラさんですか。でもなんだろう…
アベラ
全然正直にね
畑中
カットもできるから
アベラ
カットもできるしね、今後のあれは永遠や。
前田
いや別にそんなマイナスな感じないですけど。
いや、でもおもろい。最初おもろい人やなっていう印象ですかね。なんかやっぱずっと今もそうですけど、あんまだから当時と今、印象は全然変わってなくて、ものすごいやっぱ謝る人やなっていう。
畑中
まだ謝ってるんですか。
前田
だってもう今日入ってきた瞬間、すいませんすいません。
畑中
まぁでもさっきは謝るべきです。
アベラ
汗だくで1番最後に入ってきたら、まぁあのギリギリ、大人として15分前行動みたいな。
前田
いやいや
アベラ
遅れてはないです。
前田
でも、なんかやっぱりこう演出とか受けてても、こうねぇ役者さんもやられてるから、その自分の撮りたい画とか、ドラマの演出上のなんだろう、カット割りとかっていうのを気にしなきゃいけない立場だけど、ほんとは違うんだよっていう、なんかその違うんだよ、でもすんません、ここでお願いしますっていうのが、すごくなんか人間味溢れてて、それがすごくなんかこう演出受けてても信頼できるし、なんかここまで、なんかこんなに謝られて、なんかそれでもこの画が撮りたいってこの人が言うんやったら、じゃあ多分僕らの気持ちとか現場のその空気感よりも演出上、大切にすべきことが多分ここにはあるんだなって、すごく信用できる方だなっていう印象です。
アベラ
いや、いい回でしたね今日。
畑中
ここから…
アベラ
そうですね、すいません。いや、やっぱり畑中さんはあると思うんですけど、その俳優部側のね、僕ちょっと気持ちというか、僕がそんな俳優部として、もちろん日々頑張ってるし、もっと上手くなりたい、上手くなりたいと思ってやってますけど、やっぱなんて言うんすか。涙を流せる、何度も流せる人もいれば、やっぱ感情を決めて決めて、もうギリギリのとこまで自分持ってかないと流せない人もいるじゃないですか。って言ったら僕、下手くそな上で後者なんですけど。ってなると、よくお邪魔した現場でもう1回、もう1回いいですか。次はここからとか言われた時に、いやちょっと待って、頭からやってくれないと無理なんですけど「じゃあ行きまーす」ってもう言われててその時。だから僕無理なんですけどって、頭からやってほしい。時間がないからとか。でもいろんな制約がありつつで、どうしてもここだけ撮りたいとかもあるじゃないですか。現場やってると、どうしても寄りでこの一言だけ欲しいとか、けどその時に気持ち繋がって…むずいだろうなとか。
畑中
そっちもね、わかってる分すいませんになっちゃう。
アベラ
おっしゃる通りです。先行してそれが…いや、これ本来言うべきことじゃ、言ったあかんのに、でもどうしても撮りたい撮りたい、お願いします撮りたいんです、すいません。
前田
こういうことですよね。
畑中
アベラさんって「カット」って言って「うん、いいっすね」って言うのって絶対オッケーじゃないじゃん。
前田
うん、そうそうそう。
アベラ
どういうこと。
畑中
「いいです!いいです!」とか言いながら「すいません、ちょっと…」ってその声もうオッケーじゃない。
前田
あの1回、あの時間絶対いらない。
畑中
1回すごいオッケーな雰囲気を
アベラ
「あーどうもどうも!うん、はい、あのー娘さんもう1回あの…」って。その間にもうちょっと時間短くできる、無駄を省けば。
畑中
アベラさん知ってればそこカットできるし、でもアベラさんってやっぱね納得してない時がわかりやすいから。自分の描いてるものに到達してない時も、自分のなんかモヤモヤ、自分の中でのモヤモヤが出てるから。
前田
そうですね
畑中
多分、じゃあもう1回やりましょうかって多分みんながなる。
前田
逆にだからオッケーはすごく信用できるし、
アベラ
わかってくれるんですね。いや、すいませんすいません。かと言ってこれを今後も続けていこうとは思ってなくて、もう少し堂々と。だから最近、髭伸ばしてみたり。
前田
それでなんすか?
アベラ
そうです。監督らしくいこうと。
畑中
このラジオだと全然わからない。
アベラ
伝わんないですね。あの当時より髭がね、5センチぐらい…それは言い過ぎか。
前田
でもね、だいぶ伸びましたよね。
アベラ
すいません、話逸れましたね。
畑中
いやいや。でもなんかその「量産型リコ」1で会って、僕結構アベラさんと一緒にやってなくて。
前田
はいはいはいはい
畑中
ね、他の作品でちょっとやってその後やってなくて、だから…そう「あの子の子ども」のアベラさんはあんま知らなくて。
前田
はいはいはい。
畑中
もうあんまり変わらないですか?
前田
そうですね、変わらずって感じじゃないですか。
畑中
成長してない?
アベラ
いや、変わっててほしい。
前田
いや、そのベースは変わってないのかなと思います。僕も今回一応ね、レギュラーでは出さしてもらったんですけど、ずっとガッツリ関わってるわけじゃないので、あれですけど。でもなんかそうですね、結構後半とか大切なシーンとかの時の雰囲気の作り方もそうですし、演出の仕方とかも、もう基本的には役者、僕らの気持ちがどっからやったら乗るのかとか、どういうテンション感で臨みたいのかっていうのをなるべくこう汲み取って、汲み取ってっていうのは変わらずやってくださってるかな。
アベラ
これ泣かしにかかってますね。いやいや、あのね今回「あの子の子ども」がクランクインする時に衣装合わせあるじゃないですか。で、そこで旺志郎くんとちょっと2人で話す時間があって、その時に今回のほら内容がすごく…なんて言うんですかね、コメディではない、もう一言で言うと。でももちろんそれを楽しい瞬間も、ちゃんと日常の喜びも交えて、ちゃんとフラットには描いていかないといけないんですけど、やっぱ若年妊娠とかすごいセンシティブな部分がすごくあった時に作品の向き合い方、アベラさんムズイですよね、きっと今回はっていう。で、それをアベラさんがまさか“ゴリゴリのコメディ人情ものプラムコンテンツ”でご一緒したんで、その次で「あの子の子ども」というやっぱ題材でご一緒するとは思ってなかったから、やっぱその時に旺志郎くんも、僕自身もこれはいいもの作りたい故にすごく不安を抱えながら、そのいいものに臨んだんですよ。いいものにしなきゃいけないからっていう時に、やっぱりそうやって一言くれて、やっぱりすごく勇気づけられたし。
前田
いやいやいやいや。
アベラ
結果そんな変わってなかったんやってのはちょっと違うのかなと。
前田
いや、だって僕見てないから。その佳央太と、ひよりちゃんの2人のところを僕は1個も見てないので。
畑中
そうか、そこで会うことがないか。
前田
そうです。それこそ僕は、その重くないところ担当だったので7話くらいまで。
アベラ
やっぱ救いなんです。本編の中でもやっぱ引き抜きできる時に隼人が出てきて、
前田
すごい少ないですもんね。
アベラ
でも僕、1話から3話を最初ね、まとめて撮ってたんですけど、その時に3話のシーンから隼人の高校のグラウンドで宝と巨万の富って言って、陸上部員たちで戯れるシーンがあったんですけど、それまで積み上げてきた他のシーンの演出ゼロです。ここのシーンに関しては、もうただのコメディカット割り、コメディ演出。でもそこでやっぱそれを1個超える熱いものが出るのが旺志郎くん、それはリコで思ってたことなんです。
畑中
そっか、旺志郎君のとこだけは、その…あれを背負ってないもんね、その領域として。
前田
そうです。全く背負ってないんですよ最初、途中からね色々出てきたりとかはするんですけど。
アベラ
後半まではもちろん色々まだ語れない要素が出てくるんですけども、でもこの最初は全力、もう歯ぎしりレッツゴーみたいな。そういう少年やったみたい。
前田
そうですね、だから現場、今回のアベラ組も結局、そのリコの時と、ある種それこそ変わらずというか、結局僕らはあのハートオブコメディをやってたので。
アベラ
カット数の多さもリコと一緒に、旺志郎くんのシーンだけね。旺志郎くんのシーンだけ特に。あれ、これ懐かしいな。1回やった「量産型リコ」やみたいな。
畑中
そういう意味だと旺志郎くんはなんか今回の3でもそういうスパイスとして、もうみんなが見ている。ちょっとこう撮影的にも若干疲れてきて、いつも同じメンバーっていうのをずっと見てる、久しぶりのなんか親友が帰ってきたみたいな感じで、みんなが1回盛り上がるみたいな。
前田
すごい回でしたよね。
アベラ
「量産型リコ」ですよね
畑中
7話に出てもらって、かなりもっとコミカルな回で。で、なんかもうなんでもやってくれるから、なんでもやっちゃえみたいな脚本段階で。
前田
それこそ、この「あの子の子ども」は僕30分のドラマの中のワンシーン、ツーシーンでその、そこを担当するんですけど、今回リコ3に関しては、その7話30分全部その、そこを担当するっていう、7話だけもうなんか異色のね、ちょっと回になってますね。
畑中
前田くん滑ったら全部滑るみたいな。全責任…
アベラ
イノシシとかね。いや、あれどういう経緯で…やりきってましたよ。
前田
すんごいチープな。でもそれがまたね、おもろくていいんですけど、
アベラ
いいですよ。なんかほんとに、いいですよね。他の作品の名前とか出してもね別に、この番組。「ヨシヒコ」とかなんか、なんかそういう、これまでやってきた深夜の革命児たち全見込みみたいな、あの革命と呼ばれた深夜ドラマ、全見込み回やった気がしました。めっちゃおもろかった。
畑中
いや、だから3はやっぱ1が持ってた空気感みたいな、なんかそれをもう一度半分取り戻そうみたいな。なんか自分のお題というか、
アベラ
そういうのがあったんですか。
畑中
でもなんか、でも別に同じものにはしたくない。もっともっと原点っぽい方に行ってみたいのが“家族と田舎”っていう感じ。
アベラ
いや素敵ですよね。癒しとコメディの塩梅と。いやなんかさ、やっぱシチュエーションがずっと美しくて、そこに「量産型リコ」の駄菓子屋みたいなプラモ屋とか、
畑中
プラモ屋もちょっと変わったんで。
アベラ
あれも良かったなぁ。いやね、今放送中で、もちろんね見ながらそれあるじゃないですか。たまにちょっと寂しいなみたいな、あるじゃないですか。
畑中
寂しいなって?
アベラ
あの時が経つのって寂しいなみたいなね、2年前
前田
はいはいはい
アベラ
ギブバースね「量産型リコ」のね、名ゼリフですけど、
前田
アベラさん個人はね、もう2年前で、そうですね。
アベラ
やっさんだけなにも変わってへん。そういう意味で言うと、田中要次さん演じるやっさんと僕は何も変わってない。
前田
そうですね、確かに。でも、やっさんはほんと帰ってくる場所というか、それこそアベラさんが1で作った“矢島模型店”っていうものを、ほんとにずっと3年連続どんなに周りの設定が変わろうが、僕らのこうねキャラクターのあれが変わろうが、プラモ屋だけは、もうほんとに変わらず、
畑中
あの人だけがね、ずっといて。
前田
そうです。
畑中
多分その内わかんないけど、あの人だけが居続けて、もう僕らはいないのかも。あの人だけが常に
アベラ
どっかのプラモ屋におるんちゃうかっていう。北極星ですよね「量産型リコ」の。
前田
でもだからこそ、その監督がそれこそ変わっても、技術部さんも変わっても、毎年違うスタッフ陣でやってるわけじゃないですか。でも、あそこさえあれば「量産型リコ」として成立するというか、そのパッケージがちゃんと生きるっていう、なんかやっぱその安心感はすごいね、ありますよね。
畑中
アベラさんが2期をやらなかったのは結果的にめちゃくちゃ良かったと思ってて。もう変えなきゃいけないじゃないですか。2の時にみんなスタッフ、みんな変わんなきゃいけないとなった時に、じゃあ違うことやろうってみんなが楽しめるようになって、じゃあ2変えたから3も変えよう、3も変えるんだったら監督もまた新しく、その監督の色でやってみようみたいな。毎回こう軸、真ん中にあるから全部変えてこうみたいな、もうそこを割り切れるようになって、そうするとなんか新しいものが見えるみたいな。で、だからアベラさんがやんなくてよかったなと。
アベラ
結論ね
前田
結局やんなくてよかった。
アベラ
新鮮に毎回。
畑中
一緒にやってたらもうグダグダ、2、3ってなってどんどん。でもアベラさん言ってたんですよ。やっぱりね2は1を超えられない。
前田
はいはいはい。
畑中
そこに対して、自分がモチベーションを超えられないのは失礼であるっていう話をしてて、それすごく言ってることもわかる。
アベラ
もう僕は1話シーズン1のもう企画見て、やっぱ面白くて、でプラモも好きやし、ミニ四駆とか出てきて、正直ほんま旺志郎くんの涙みたいなもんで、一滴も残らんぐらい絞り出したのが、多分シーズン1やったんです。これシーズン2、同じ熱量でやっぱやらないとあかんし、これはでもほんとにね、だからもう真剣に話して、そこはできないって言った時に、シーズン2見て、マルチバースや!なんやこの設定と思って、しかも今シーズン3でまたマルチバース故に演出も変わってるっていうのがすごい生きてきますよね。3つ目出てきて尚更、2もそっか、2の演出と違うのこれマルチバース故のやつやみたいな、で、やっさんだけが北極星みたいに変わんないんだっていう。いやすごい3まで揃って、ある意味マーベルみたいな、あっディズニー…大丈夫?マーベルって言って
畑中
別に大丈夫ですよ。すごいっすね、もう世の中でディズニーの話をしちゃいけなくなって。全然そんなことはなかった。
アベラ
お話はいいんだ。
前田
お話は大丈夫です。
アベラ
さて、どうでしょう。
前田
下手すぎます。下手すぎます。
畑中
しかもなんかパーソナリティになって
前田
めちゃくちゃ急に締めようとするじゃないですか。
アベラ
やっぱ現場気になるタイプやから。時間だけすごい気にするタイプ。
畑中
でもね、確かに今「量産型リコ」と「あの子の子ども」ぐちゃぐちゃしちゃって
アベラ
すごいっ!
畑中
え?
アベラ
畑中さん回すん。上手いことトピック案言ってる。
前田
ほんとだ!
畑中
そうです、全部いきました。でもやっぱ1番聞きたかったのは、アベラさんがすごくリコの現場と、あの子の現場でどう成長したかっていうのを聞きたかったですけど、成長はなかったという
前田
成長してないってことじゃないですけど、
畑中
テンパってる?
前田
いやいやいやいや。でもテンパりは減ったかもしれないですね。
アベラ
でも大体慣れるまで、俳優部と仲良くなるまでが極限までテンパるタイプなんで。プロデューサーさんも全部出会った人、最初人見知り、テンパりから入って、慣れてくるとちゃんと集中。
前田
あと、なんかやっぱ撮影部との関係性が全然違いましたよね。リコの時のクリタさんとアベラさんの関係と、今回はウシマツさんって人だったんですけど、とアベラさんの関係がまた全然違う。なんかまたそこはそこで「あの子の子ども」タックは、そこはそこで、すごく…すごいね、もうウシマツさんが全部アベラさんに、基本的にはもうわかってますよって、アベラさんが撮りたいものわかってますよっていう、何があってもとりあえずやってみましょうっていうスタイルだったんで。
アベラ
それが出ちゃってます。作品にもほんとに。なんかね、なんやろ、阿吽の呼吸って言うんですかね、大阪芸大の1個下の後輩なんですけど、
前田
えー、そうなんですね。
アベラ
なんかやっぱ育ってきた環境とかあるんか、12年ぶりに再会してやったんですよ。
前田
はー、そうなんですね。
アベラ
その火ドラ★イレブンの1個前のね、1個前じゃない、ウッシーがやってた「ウソ婚」っていうね、BABELの山口さんがやって、同じカメラマンなんですけど、今回はちょっと全くまた違うアプローチをかけようって言って、色々見てきてる映画も近くて、そこで全部乗っかってみたっていうね。
畑中
アベラさん、カメラマンさんとさ、こうね、なんかこう中学生の喧嘩みたいな…
前田
ね、それこそクリタさんとすごく…うん、でもあれはあれで、なんかすごく
畑中
いやいや、そう。悪い意味じゃなく、
アベラ
ありました、1の時ね。
畑中
ありまくったよ。
アベラ
嘘?
前田
アベラさんが「嫌だ」みたいな
畑中
そうそう。
前田
「この画やだ!僕こっちがいい!」
アベラ
うるせぇな、最後に?ここで終わる?それでは…
畑中
そろそろ時間になってきました。今週は今関わっている作品のお話がメインとなりましたが、来週もう少し1人1人を深掘ったクロストークをできたらと思います。
アベラ
ありがとうございます。
畑中
来週もぜひお聞きください。はい、どうもありがとうございます。
アベラ
こだわりの喧嘩ね、喧嘩というのはディスカッション。日本にはこれが足りない。ありがとうございました。
BABEL Wave#25
《内容》
・「量産型リコ」「あの子の子ども」裏ばなし
・口癖の裏側に隠された監督魂、アベラヒデノブの演出について
・前田旺志郎さんのお芝居の”スパイス”について
・「量産型リコ」シーズン1〜シーズン3で変わったこと&変わらないこと
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[文字起こし]
畑中
始まりましたBABEL Wave。BABEL Waveは、コンテンツスタジオBABEL LABELのクリエイターが今の時代の波を紹介する番組です。今、旬の作品を取り上げていくこの番組、今回は私BABEL LABELの企画プロデューサー、脚本家の畑中翔太と、同じくBABEL LABEL所属の監督アベラヒデノブさん、そしてゲストに俳優の前田旺志郎さんをお呼びしております。今回、前半、後半と2回に渡ってお送りさせていただきます。お二人様よろしくお願いします。
アベラ
よろしくお願いします。
前田
お願いします。
畑中
まず、そしたらアベラさん。
アベラ
BABEL LABELのディレクター、監督のアベラヒデノブです。この度は、お呼びいただき誠にありがとうございます。はい、では旺志郎くん。
前田
そんな固いテンションなんですか。
アベラ
ちょっと馴染んでこう、じゃあ旺志郎さん。
前田
松竹エンターテインメント所属の前田旺志郎と申します。
畑中
所属も言うの?
前田
この度は、お呼びいただき本当にありがとうございます。今日は短い時間ですが、この時間の中でたくさんのことを話していければなという風に思っております。どうかよろしくお願いします。
畑中
凄い、結婚式みたい。よろしくお願いします。そんな難いあれじゃない。まぁあれっすね、この3人は知った仲でもあるから。
前田
そうですね。
畑中
ふざけちゃったんですけど。
アベラ
もうちょっと軽くやりますか。
畑中
これ、あれですね。そのBABEL WaveっていうBABEL LABELがやっているこのポッドキャストで色々作品の裏側を色々話していく。それで今回、僕とアベラさんはBABEL所属ですけども、前田旺志郎さんがここに来ていただいてるのは、僕が企画、脚本を務めている「量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-」今、放送中ですけども、それと本当にまさに同時タイミングで放送している、アベラさんがチーフ監督を務めるドラマ「あの子の子ども」の両方に実は旺志郎くんが出ていると。
前田
ありがとうございます。
畑中
股を掛けてこう…
アベラ
そうですね、
畑中
出ているっていう。
アベラ
いや嬉しいですね。
畑中
本当に同タイミングでたまたま。
前田
そうですね。
畑中
なんかそれ僕も現場で知って、そうなのみたいな。
前田
ね、そうですよね。
畑中
って話から、今回じゃあ一緒に話しましょうかみたいな事になっているんです。ということで、なんか色々それぞれの作品の話とかをクロストークしてくださいって書いてあるのでクロストークしましょう。で、こうトピック案みたいなのあるんですけど、まず最近どうでしたかっていう。
アベラ
ちゃんと読むんですね。
畑中
かなりざっくりした
アベラ
最近どうでしたか。僕はですね、先週撮影がオールアップしまして、クランクアップ。
畑中
この「あの子の子ども」の?
アベラ
そうですね
畑中
結構ギリっすね。
アベラ
いやギリというか、そうですね。今が7話が放送終わって、次8話が放送されるんですけど、そういう意味で言うと、いわゆるテレビドラマらしくしっかりとですね、頑張って
畑中
追われながら、テレビドラマらしくギリギリを攻めて。
アベラ
そうですね。やっぱりクオリティのためにギリギリを攻めて。ほんとに感動的なね、すごく「量産型リコ」で出会ったんで僕、旺志郎くんは。
前田
あ、そうですね。
アベラ
はい。それをきっかけに、
畑中
3年前…
アベラ
2年前ですね。意外とそうですね、2年前。もっと前に感じますね。
前田
ほんまですね、確かに。
畑中
コロナがすごかった時期
前田
そうですよね、そうだそうだ。
アベラ
そうですね。シーズン3ですもんね「量産型リコ」
畑中
そうですね。今はシーズン3ですけど、旺志郎くんとアベラさんと3人でやったのはシーズン1の時。で、僕も多分初めてで、
前田
そうですね
畑中
で、ちょっとヒール役だったというか、
前田
はい、一応そうか。そうです、最初は嫌なやつでしたよね。
アベラ
主人公に突っかかって、突っかかって、
畑中
そう。で、リコちゃんに突っかかる浅井っていう同僚みたいな設定で、難しいけど面白かったというか。
前田
そうですね、中々しかもこう僕自身ヒールというか、ああいうツンケン、ツンケンした役、中々やらせていただく機会がなかったので、
アベラ
それまでなかったんですか。
前田
あんまなかったですね。
アベラ
なんか「量産型リコ」以降、なんか旺志郎くんがいろんなドラマね、拝見させていただいてるんですけど、やっぱ主人公の突っかかっていく友達役、右に出るものいない感じのポジションにちょっと入ってきてますよね。
前田
そうですかね。
アベラ
はい。
前田
繋がってんのかな。
アベラ
いろんなドラマで見るんですけど、やっぱ最初ものすごい突っかかっていくんですよ。で、何を隠す「あの子の子ども」でもね、
前田
そうですね
アベラ
基本的に最初、結構突っかかってくる。良い奴なのは、もう透けて見えるんですけど、突っかかって…
畑中
そういう演出をしようとしてるんじゃないんですか。
アベラ
追ってる?突っかからせ。突っかからせたらやっぱ面白いじゃないですか。で、浅井というね「量産型リコ」の時も最初は、僕は大好きでしたよ。うざくてうざくて。
畑中
そうですね。
前田
1話強烈でした。
アベラ
強烈でした。
畑中
で、最後9話に浅井回みたいなのがあって、未だにやっぱ伝説の回だな。
前田
いやいやいや。
畑中
ジム
アベラ
そうですね
畑中
ジムっていう。だから会社の中でガンダムになろうと思ったら、実は似たような量産型のジムだったっていうことに気づくっていう。全サラリーマンが泣くって噂の、
アベラ
コンセプトから最強ではあるんですけど、
前田
そうですね
アベラ
それをこうね、みんなで本作って、畑中さんともそのプロデューサーと一緒に、こう編集時とかね、撮影時もそうですよね。旺志郎くんがちょっと熱いものがもう抑えても抑えても溢れ出す、ちょっとなんかね、体中の水分出てるんちゃうっていう。
前田
びっちょびちょになりながら。
アベラ
そうそう。なんかやっぱそういう瞬間の、みんな手伝って、だから編集で仕上がった時はなんかね、とんでもないもんできたんじゃないかって感覚になったの覚えてます。
畑中
すごい素敵でしたよ。
前田
でもなんかあれ、最初こう9話の脚本いただいて、すごいね、いい話だったし、すごい素敵な話やなと思ってたんですけど、文字面だけでね読むと、あそこの1番最後プラモを作って、ガンダムやと思って作ってて、頭をはめたらジムやったっていう、その文面だけで読むとむちゃくちゃおもろくて、その頭をはめた瞬間に涙を流す浅井って書いてて、これ俺はできるのか果たしてと思って。
アベラ
文字面だけ見るとね
前田
そう。実際ね、画になるとすごく素敵な回やったんですけど、文字面だけで読むとむちゃくちゃで、
畑中
制作準備上やってる時に、その首から作ってく途中でこれ気付きます、みたいな話が。
さすがにこれはガンダムじゃないって気づきます、さぁどうするかみたいな。勝手にイメージで…
アベラ
それでもやろうってなったの、どうしてでしたっけ。
畑中
だからなんかこのパーツはあんまり見せないようにしようとか。
アベラ
結構ね、撮り方で
畑中
そうですね。ここ見せるとバレるとか。
アベラ
はいはいはい、浅井も夢中で作ってるから。
畑中
そう、夢中で作ってるから。あれはでもアベラさんの演出もすごい生きてたというか。
アベラ
うまくね、最後僕も…だからギャップ、振り幅というか、でも振りが面白すぎるんで。俺はガンダムだと思ってたっていう。そう、ガンダムキャラがジムだったっていう…
畑中
あの時が旺志郎くんはアベラさん初めて?
前田
そうです
畑中
最初の印象はどんな感じなんですか。
前田
アベラさんですか。でもなんだろう…
アベラ
全然正直にね
畑中
カットもできるから
アベラ
カットもできるしね、今後のあれは永遠や。
前田
いや別にそんなマイナスな感じないですけど。
いや、でもおもろい。最初おもろい人やなっていう印象ですかね。なんかやっぱずっと今もそうですけど、あんまだから当時と今、印象は全然変わってなくて、ものすごいやっぱ謝る人やなっていう。
畑中
まだ謝ってるんですか。
前田
だってもう今日入ってきた瞬間、すいませんすいません。
畑中
まぁでもさっきは謝るべきです。
アベラ
汗だくで1番最後に入ってきたら、まぁあのギリギリ、大人として15分前行動みたいな。
前田
いやいや
アベラ
遅れてはないです。
前田
でも、なんかやっぱりこう演出とか受けてても、こうねぇ役者さんもやられてるから、その自分の撮りたい画とか、ドラマの演出上のなんだろう、カット割りとかっていうのを気にしなきゃいけない立場だけど、ほんとは違うんだよっていう、なんかその違うんだよ、でもすんません、ここでお願いしますっていうのが、すごくなんか人間味溢れてて、それがすごくなんかこう演出受けてても信頼できるし、なんかここまで、なんかこんなに謝られて、なんかそれでもこの画が撮りたいってこの人が言うんやったら、じゃあ多分僕らの気持ちとか現場のその空気感よりも演出上、大切にすべきことが多分ここにはあるんだなって、すごく信用できる方だなっていう印象です。
アベラ
いや、いい回でしたね今日。
畑中
ここから…
アベラ
そうですね、すいません。いや、やっぱり畑中さんはあると思うんですけど、その俳優部側のね、僕ちょっと気持ちというか、僕がそんな俳優部として、もちろん日々頑張ってるし、もっと上手くなりたい、上手くなりたいと思ってやってますけど、やっぱなんて言うんすか。涙を流せる、何度も流せる人もいれば、やっぱ感情を決めて決めて、もうギリギリのとこまで自分持ってかないと流せない人もいるじゃないですか。って言ったら僕、下手くそな上で後者なんですけど。ってなると、よくお邪魔した現場でもう1回、もう1回いいですか。次はここからとか言われた時に、いやちょっと待って、頭からやってくれないと無理なんですけど「じゃあ行きまーす」ってもう言われててその時。だから僕無理なんですけどって、頭からやってほしい。時間がないからとか。でもいろんな制約がありつつで、どうしてもここだけ撮りたいとかもあるじゃないですか。現場やってると、どうしても寄りでこの一言だけ欲しいとか、けどその時に気持ち繋がって…むずいだろうなとか。
畑中
そっちもね、わかってる分すいませんになっちゃう。
アベラ
おっしゃる通りです。先行してそれが…いや、これ本来言うべきことじゃ、言ったあかんのに、でもどうしても撮りたい撮りたい、お願いします撮りたいんです、すいません。
前田
こういうことですよね。
畑中
アベラさんって「カット」って言って「うん、いいっすね」って言うのって絶対オッケーじゃないじゃん。
前田
うん、そうそうそう。
アベラ
どういうこと。
畑中
「いいです!いいです!」とか言いながら「すいません、ちょっと…」ってその声もうオッケーじゃない。
前田
あの1回、あの時間絶対いらない。
畑中
1回すごいオッケーな雰囲気を
アベラ
「あーどうもどうも!うん、はい、あのー娘さんもう1回あの…」って。その間にもうちょっと時間短くできる、無駄を省けば。
畑中
アベラさん知ってればそこカットできるし、でもアベラさんってやっぱね納得してない時がわかりやすいから。自分の描いてるものに到達してない時も、自分のなんかモヤモヤ、自分の中でのモヤモヤが出てるから。
前田
そうですね
畑中
多分、じゃあもう1回やりましょうかって多分みんながなる。
前田
逆にだからオッケーはすごく信用できるし、
アベラ
わかってくれるんですね。いや、すいませんすいません。かと言ってこれを今後も続けていこうとは思ってなくて、もう少し堂々と。だから最近、髭伸ばしてみたり。
前田
それでなんすか?
アベラ
そうです。監督らしくいこうと。
畑中
このラジオだと全然わからない。
アベラ
伝わんないですね。あの当時より髭がね、5センチぐらい…それは言い過ぎか。
前田
でもね、だいぶ伸びましたよね。
アベラ
すいません、話逸れましたね。
畑中
いやいや。でもなんかその「量産型リコ」1で会って、僕結構アベラさんと一緒にやってなくて。
前田
はいはいはいはい
畑中
ね、他の作品でちょっとやってその後やってなくて、だから…そう「あの子の子ども」のアベラさんはあんま知らなくて。
前田
はいはいはい。
畑中
もうあんまり変わらないですか?
前田
そうですね、変わらずって感じじゃないですか。
畑中
成長してない?
アベラ
いや、変わっててほしい。
前田
いや、そのベースは変わってないのかなと思います。僕も今回一応ね、レギュラーでは出さしてもらったんですけど、ずっとガッツリ関わってるわけじゃないので、あれですけど。でもなんかそうですね、結構後半とか大切なシーンとかの時の雰囲気の作り方もそうですし、演出の仕方とかも、もう基本的には役者、僕らの気持ちがどっからやったら乗るのかとか、どういうテンション感で臨みたいのかっていうのをなるべくこう汲み取って、汲み取ってっていうのは変わらずやってくださってるかな。
アベラ
これ泣かしにかかってますね。いやいや、あのね今回「あの子の子ども」がクランクインする時に衣装合わせあるじゃないですか。で、そこで旺志郎くんとちょっと2人で話す時間があって、その時に今回のほら内容がすごく…なんて言うんですかね、コメディではない、もう一言で言うと。でももちろんそれを楽しい瞬間も、ちゃんと日常の喜びも交えて、ちゃんとフラットには描いていかないといけないんですけど、やっぱ若年妊娠とかすごいセンシティブな部分がすごくあった時に作品の向き合い方、アベラさんムズイですよね、きっと今回はっていう。で、それをアベラさんがまさか“ゴリゴリのコメディ人情ものプラムコンテンツ”でご一緒したんで、その次で「あの子の子ども」というやっぱ題材でご一緒するとは思ってなかったから、やっぱその時に旺志郎くんも、僕自身もこれはいいもの作りたい故にすごく不安を抱えながら、そのいいものに臨んだんですよ。いいものにしなきゃいけないからっていう時に、やっぱりそうやって一言くれて、やっぱりすごく勇気づけられたし。
前田
いやいやいやいや。
アベラ
結果そんな変わってなかったんやってのはちょっと違うのかなと。
前田
いや、だって僕見てないから。その佳央太と、ひよりちゃんの2人のところを僕は1個も見てないので。
畑中
そうか、そこで会うことがないか。
前田
そうです。それこそ僕は、その重くないところ担当だったので7話くらいまで。
アベラ
やっぱ救いなんです。本編の中でもやっぱ引き抜きできる時に隼人が出てきて、
前田
すごい少ないですもんね。
アベラ
でも僕、1話から3話を最初ね、まとめて撮ってたんですけど、その時に3話のシーンから隼人の高校のグラウンドで宝と巨万の富って言って、陸上部員たちで戯れるシーンがあったんですけど、それまで積み上げてきた他のシーンの演出ゼロです。ここのシーンに関しては、もうただのコメディカット割り、コメディ演出。でもそこでやっぱそれを1個超える熱いものが出るのが旺志郎くん、それはリコで思ってたことなんです。
畑中
そっか、旺志郎君のとこだけは、その…あれを背負ってないもんね、その領域として。
前田
そうです。全く背負ってないんですよ最初、途中からね色々出てきたりとかはするんですけど。
アベラ
後半まではもちろん色々まだ語れない要素が出てくるんですけども、でもこの最初は全力、もう歯ぎしりレッツゴーみたいな。そういう少年やったみたい。
前田
そうですね、だから現場、今回のアベラ組も結局、そのリコの時と、ある種それこそ変わらずというか、結局僕らはあのハートオブコメディをやってたので。
アベラ
カット数の多さもリコと一緒に、旺志郎くんのシーンだけね。旺志郎くんのシーンだけ特に。あれ、これ懐かしいな。1回やった「量産型リコ」やみたいな。
畑中
そういう意味だと旺志郎くんはなんか今回の3でもそういうスパイスとして、もうみんなが見ている。ちょっとこう撮影的にも若干疲れてきて、いつも同じメンバーっていうのをずっと見てる、久しぶりのなんか親友が帰ってきたみたいな感じで、みんなが1回盛り上がるみたいな。
前田
すごい回でしたよね。
アベラ
「量産型リコ」ですよね
畑中
7話に出てもらって、かなりもっとコミカルな回で。で、なんかもうなんでもやってくれるから、なんでもやっちゃえみたいな脚本段階で。
前田
それこそ、この「あの子の子ども」は僕30分のドラマの中のワンシーン、ツーシーンでその、そこを担当するんですけど、今回リコ3に関しては、その7話30分全部その、そこを担当するっていう、7話だけもうなんか異色のね、ちょっと回になってますね。
畑中
前田くん滑ったら全部滑るみたいな。全責任…
アベラ
イノシシとかね。いや、あれどういう経緯で…やりきってましたよ。
前田
すんごいチープな。でもそれがまたね、おもろくていいんですけど、
アベラ
いいですよ。なんかほんとに、いいですよね。他の作品の名前とか出してもね別に、この番組。「ヨシヒコ」とかなんか、なんかそういう、これまでやってきた深夜の革命児たち全見込みみたいな、あの革命と呼ばれた深夜ドラマ、全見込み回やった気がしました。めっちゃおもろかった。
畑中
いや、だから3はやっぱ1が持ってた空気感みたいな、なんかそれをもう一度半分取り戻そうみたいな。なんか自分のお題というか、
アベラ
そういうのがあったんですか。
畑中
でもなんか、でも別に同じものにはしたくない。もっともっと原点っぽい方に行ってみたいのが“家族と田舎”っていう感じ。
アベラ
いや素敵ですよね。癒しとコメディの塩梅と。いやなんかさ、やっぱシチュエーションがずっと美しくて、そこに「量産型リコ」の駄菓子屋みたいなプラモ屋とか、
畑中
プラモ屋もちょっと変わったんで。
アベラ
あれも良かったなぁ。いやね、今放送中で、もちろんね見ながらそれあるじゃないですか。たまにちょっと寂しいなみたいな、あるじゃないですか。
畑中
寂しいなって?
アベラ
あの時が経つのって寂しいなみたいなね、2年前
前田
はいはいはい
アベラ
ギブバースね「量産型リコ」のね、名ゼリフですけど、
前田
アベラさん個人はね、もう2年前で、そうですね。
アベラ
やっさんだけなにも変わってへん。そういう意味で言うと、田中要次さん演じるやっさんと僕は何も変わってない。
前田
そうですね、確かに。でも、やっさんはほんと帰ってくる場所というか、それこそアベラさんが1で作った“矢島模型店”っていうものを、ほんとにずっと3年連続どんなに周りの設定が変わろうが、僕らのこうねキャラクターのあれが変わろうが、プラモ屋だけは、もうほんとに変わらず、
畑中
あの人だけがね、ずっといて。
前田
そうです。
畑中
多分その内わかんないけど、あの人だけが居続けて、もう僕らはいないのかも。あの人だけが常に
アベラ
どっかのプラモ屋におるんちゃうかっていう。北極星ですよね「量産型リコ」の。
前田
でもだからこそ、その監督がそれこそ変わっても、技術部さんも変わっても、毎年違うスタッフ陣でやってるわけじゃないですか。でも、あそこさえあれば「量産型リコ」として成立するというか、そのパッケージがちゃんと生きるっていう、なんかやっぱその安心感はすごいね、ありますよね。
畑中
アベラさんが2期をやらなかったのは結果的にめちゃくちゃ良かったと思ってて。もう変えなきゃいけないじゃないですか。2の時にみんなスタッフ、みんな変わんなきゃいけないとなった時に、じゃあ違うことやろうってみんなが楽しめるようになって、じゃあ2変えたから3も変えよう、3も変えるんだったら監督もまた新しく、その監督の色でやってみようみたいな。毎回こう軸、真ん中にあるから全部変えてこうみたいな、もうそこを割り切れるようになって、そうするとなんか新しいものが見えるみたいな。で、だからアベラさんがやんなくてよかったなと。
アベラ
結論ね
前田
結局やんなくてよかった。
アベラ
新鮮に毎回。
畑中
一緒にやってたらもうグダグダ、2、3ってなってどんどん。でもアベラさん言ってたんですよ。やっぱりね2は1を超えられない。
前田
はいはいはい。
畑中
そこに対して、自分がモチベーションを超えられないのは失礼であるっていう話をしてて、それすごく言ってることもわかる。
アベラ
もう僕は1話シーズン1のもう企画見て、やっぱ面白くて、でプラモも好きやし、ミニ四駆とか出てきて、正直ほんま旺志郎くんの涙みたいなもんで、一滴も残らんぐらい絞り出したのが、多分シーズン1やったんです。これシーズン2、同じ熱量でやっぱやらないとあかんし、これはでもほんとにね、だからもう真剣に話して、そこはできないって言った時に、シーズン2見て、マルチバースや!なんやこの設定と思って、しかも今シーズン3でまたマルチバース故に演出も変わってるっていうのがすごい生きてきますよね。3つ目出てきて尚更、2もそっか、2の演出と違うのこれマルチバース故のやつやみたいな、で、やっさんだけが北極星みたいに変わんないんだっていう。いやすごい3まで揃って、ある意味マーベルみたいな、あっディズニー…大丈夫?マーベルって言って
畑中
別に大丈夫ですよ。すごいっすね、もう世の中でディズニーの話をしちゃいけなくなって。全然そんなことはなかった。
アベラ
お話はいいんだ。
前田
お話は大丈夫です。
アベラ
さて、どうでしょう。
前田
下手すぎます。下手すぎます。
畑中
しかもなんかパーソナリティになって
前田
めちゃくちゃ急に締めようとするじゃないですか。
アベラ
やっぱ現場気になるタイプやから。時間だけすごい気にするタイプ。
畑中
でもね、確かに今「量産型リコ」と「あの子の子ども」ぐちゃぐちゃしちゃって
アベラ
すごいっ!
畑中
え?
アベラ
畑中さん回すん。上手いことトピック案言ってる。
前田
ほんとだ!
畑中
そうです、全部いきました。でもやっぱ1番聞きたかったのは、アベラさんがすごくリコの現場と、あの子の現場でどう成長したかっていうのを聞きたかったですけど、成長はなかったという
前田
成長してないってことじゃないですけど、
畑中
テンパってる?
前田
いやいやいやいや。でもテンパりは減ったかもしれないですね。
アベラ
でも大体慣れるまで、俳優部と仲良くなるまでが極限までテンパるタイプなんで。プロデューサーさんも全部出会った人、最初人見知り、テンパりから入って、慣れてくるとちゃんと集中。
前田
あと、なんかやっぱ撮影部との関係性が全然違いましたよね。リコの時のクリタさんとアベラさんの関係と、今回はウシマツさんって人だったんですけど、とアベラさんの関係がまた全然違う。なんかまたそこはそこで「あの子の子ども」タックは、そこはそこで、すごく…すごいね、もうウシマツさんが全部アベラさんに、基本的にはもうわかってますよって、アベラさんが撮りたいものわかってますよっていう、何があってもとりあえずやってみましょうっていうスタイルだったんで。
アベラ
それが出ちゃってます。作品にもほんとに。なんかね、なんやろ、阿吽の呼吸って言うんですかね、大阪芸大の1個下の後輩なんですけど、
前田
えー、そうなんですね。
アベラ
なんかやっぱ育ってきた環境とかあるんか、12年ぶりに再会してやったんですよ。
前田
はー、そうなんですね。
アベラ
その火ドラ★イレブンの1個前のね、1個前じゃない、ウッシーがやってた「ウソ婚」っていうね、BABELの山口さんがやって、同じカメラマンなんですけど、今回はちょっと全くまた違うアプローチをかけようって言って、色々見てきてる映画も近くて、そこで全部乗っかってみたっていうね。
畑中
アベラさん、カメラマンさんとさ、こうね、なんかこう中学生の喧嘩みたいな…
前田
ね、それこそクリタさんとすごく…うん、でもあれはあれで、なんかすごく
畑中
いやいや、そう。悪い意味じゃなく、
アベラ
ありました、1の時ね。
畑中
ありまくったよ。
アベラ
嘘?
前田
アベラさんが「嫌だ」みたいな
畑中
そうそう。
前田
「この画やだ!僕こっちがいい!」
アベラ
うるせぇな、最後に?ここで終わる?それでは…
畑中
そろそろ時間になってきました。今週は今関わっている作品のお話がメインとなりましたが、来週もう少し1人1人を深掘ったクロストークをできたらと思います。
アベラ
ありがとうございます。
畑中
来週もぜひお聞きください。はい、どうもありがとうございます。
アベラ
こだわりの喧嘩ね、喧嘩というのはディスカッション。日本にはこれが足りない。ありがとうございました。