BABEL Wave#24
《内容》
・俳優 市川由衣さんの役作り。脱皮したいという気持ちが芽生えた20代とターニングポイント
・「リコがちゃんとリコであれば面白い」畑中翔太の脚本のお話と最終回にかけての見どころ
・主演与田祐希さんの「不思議なボス感」
是非お聴きください🎧
視聴リンク
https://spotifyanchor-web.app.link/e/ExvQxH5UBMb
[文字起こし]
畑中
はい、始まりました。「畑中翔太のはいカット!」この番組は、映画や舞台、ドラマなどなど、様々なエンタメコンテンツの裏側をゲストを迎えながら深掘っていく音声番組です。先週、女優の市川由衣さんに来ていただき、リコの話をシーズン2から3まで色々していただきました。多分あんまりどこの取材とかにも載ってない撮影の裏側みたいな話していただいたと思うんですけども、先週に引き続き市川さんに来ていただいてます、よろしくお願い致します。
市川
宜しくお願いします。
畑中
さっき40分位喋ってた
市川
ね、いつの間にか。
畑中
多分そういう話すると終わらないでしょ。
市川
終わらないですね。
畑中
本当はね、家族でやってほしいんですけどね
市川
確かにそれこそ終わらない。
畑中
そうですね、終わらない。
市川
わちゃわちゃって。
畑中
本当に良い家族がそのまま映像に出てるような気はしているので。今これが流れている時は5話位なんですけど、ここからまたそれぞれの家族の話とか、それこそ侑美の話があって、香絵の話とかがあって、最後家族の話になっていくという感じなんですけども、ちょっと今回はリコっていうのももちろんそうなんですけど、もうちょっと市川さん自身の話を聞いてみたいなと思いまして、この質問に“女優市川由衣のスタートについて”って書いたんですけども、お芝居やられてからはもう20年以上やられてます?
市川
そうですね、20年以上やってますね。
畑中
最初はどういうあれだったんですか、スタートだったんですか?
市川
お芝居ですか?元々グラビアをやってて、そこから元々女優志望、役者になりたかったので、それのステップアップと思ってグラビアをやったんですけど、1番最初に出たのは多分深夜ドラマで「渋谷系女子プロレス」っていう
畑中
プロレス!?
市川
そう、プロレスをするっていうドラマがあって、それのオーディションに受かって、何人いたんだろう?9人位女の子、渋谷系の女の子たちが集まってプロレス団体を作るみたいな話だったんですけど、実際にプロレスの練習して、ディファ有明っていう、もう無いのかな?なんですけど、そこで試合をする最終回みたいな。
畑中
なるほど。それがだから女子プロの話って事、ドラマ?
市川
そう、それが多分1番最初にやったドラマでした。
畑中
それがだから二十何年前とかですか?
市川
15、6だから。
畑中
15、6!?
市川
二十うん年前です。
畑中
それが最初で、そっからでもドラマも映画もずっとやっていったわけです?
市川
そうですね。
畑中
それこそあれですよ。撮影で言いましたけど「サイレン」2回見ましたよ。
市川
あー!ありがとうございます。
畑中
あれが映画の初主演ですか?
市川
あれは初主演で19歳とか18歳とか…
畑中
“SIREN”が好きでまず僕、ゲーム。
市川
あ、ゲーム?
畑中
はい、めちゃくちゃ好きで…だったのと、そのね、前ちょっと言いましたけど、若い頃市川さんのファンだった。その掛け算して、
市川
ありがとうございます。
畑中
2回見に行って、すっごい覚えてる。それは覚えてます凄い。
市川
「サイレン」ね、結構「サイレン」見てます、見ましたみたいに言われること多いですね。
畑中
めちゃくちゃ怖い映画だったじゃないですか。
市川
うんうん、堤幸彦監督の。
畑中
そう、すっごい覚えてるんだよ、怖かったなぁと思って。
市川
八丈島でロケして
畑中
八丈島で?あ、でもそういう感じ、そういうあれですもんね。
市川
うん、八丈島で撮ってました。
畑中
あれが主演でありつつ、でもやっぱね市川さんといえば「NANA2」とか、あれはあの辺って、でも何歳ですか?
市川
あの辺、多分20とかじゃないですか。19、20位ですね。
畑中
じゃあまだ、まぁでもお芝居やって4年とか。
市川
そうですね、まだ4年とかですね。
畑中
その時のスタイルと今って変わってるもんなんですか?
市川
めちゃめちゃ変わってますね。いや、やっぱり本当に若かったというのもあり、なんかこう根拠のない自信がありましたね。
畑中
若い頃?どういう感じ?
市川
なんだろう。なんか、なんだろうな。迷ってたんでしょうけど、なんか行け!みたいな感じでやってた記憶があって、その時その時は一生懸命やってたんですけど、もう今とか恥ずかしくて見れないです。
畑中
そういうもんなんですか。やっぱその過去の作品って
市川
みんな見れるのかな、もう私はもう恥ずかしすぎて見れないですけど。その時はその時の自分なりのベスト尽くしてはいるんですけど、ちょっと今恥ずかしくて見れない。
畑中
なるほど。
市川
そうですね。
畑中
いや、でも確かに女優とか俳優の方って、例えば僕らみたいなその表に立たない人って、自分のなんか過去のムービーですら見れないっていうか。別に見たくない、恥ずかしいじゃないですか。それがもう公共放送に乗って見てるじゃないですか。だからそこに対してこう…なんていうか、そう恥ずかしい、僕もやっぱ見れない…そう思っちゃうんですよ。でもそれをちゃんと、なんだろう、外からちゃんと見れる人もいるんだろうなと思って、昔のだと恥ずかしいです。
市川
恥ずかしい、私は。
畑中
いや、でも「NANA2」とかめっちゃ覚えてるもんな。
市川
いや、未だにやっぱり言われますけどね、有難いことに。
畑中
そういう意味だと、そのターニングポイントになったのも「NANA」もそうだったんですか?
市川
そうですね。でもその「NANA2」とかやって、あとその前に「ラフ」っていうあだち充さんの作品とかもやったりとかして、でなんかこう女子高生、なんかちょっとヒロインのライバル役みたいなこととか、若い頃はやることが多くて、でなんかちょっと、なんか役が似たような役が続くというか、そういう…なんだインパクトがあったりとかすると。でなんか自分的にちょっと嫌だなと思った時期があって、でいつまでもちょっとアイドル的な、アイドル女優みたいな、なんかあんまり多分役者として見られてないんだろうなって思う事とかもあったりとかして、なんかその辺がちょっと脱皮したいなみたいな感じではずっと20代はずっとそんな感じではありました。20、25位までそうだったかもしれないですね。
畑中
なんか役者さんってこう年齢によって、あとそのキャラクターによって、やっぱりその野球で言うカーブを投げてくれというか、毎回こう同じ球種を求められることってあるじゃないですか。そう、いや僕そういうの1回聞いてみたかったんですけど、やっぱりもちろん作品によって違うと思うんですけど、やっぱりどこかでこれやったなって思うもんなんですか。毎回最近こういうキャラだなとか。
市川
なんだろう。キャラとして捉えちゃうとそうだけど、1人1人、人間が違うようにその役 1人1人違うから、あんまこう…こういう役、こういうキャラみたいな感じでは捉えたくないけど、方向性的にそうだなみたいな。これを求められてんだろうなみたいなのが重なりすぎると、ちょっと変えたくなるっていうか。こういうのもできますよって見せたくなるんだけど、でもそれって私たちは貰う側だから、与えてもらう側だから、だからそこをアピールすることはできないので、口では言うことはできるけど、そういう役が来てほしいなっていうのをずっと思ってた時期もあった。
畑中
その20代って言っても結構なんかやっぱ似てる物も多くなるじゃないですか、その若さの頃って。そこからこんな役来るようになったんだってのはあるんですか?
市川
私が20後半、26、7位の時に「海を感じる時」っていう映画をやったんですけど、その映画が私の中では結構ターニングポイントになってて。今までやってきた凄く明るい映画ではなくって、文芸作品みたいな感じだったんですけど、ちょっと人の影の部分というか、あんまりこう内に秘めた部分を表現するような作品だったから、温度…なんか温度を求められるというか、湿度を求められるというか、なんかそういうお芝居を求められる現場だったんですよね。そこが私にとっては凄い、こういうアプローチもしていいんだって思えたし、こういう作品にどんどん関わっていきたいなって思った 1個の作品でもあります。
畑中
あの辺の…全部は追ってないですけど、印象とか少し僕も変わったイメージ。あれによってなんて言うんですかね、こういう市川さんもあるんだとか、こういう役でもいいんだっていう、多分いろんな方が思ったような気がしますし、それで多分またちょっと広がったんですよね。
市川
そうですね、そうですね。そこからまた変わりましたね。ちょっと来る役も変わったし、自分のなんか芝居に対してのスタンスもちょっと変わったし、そこかなと思います。
畑中
その、市川さん的にお芝居の1番なんて言うんですかね、喜びポイントってどこですか、撮ってる瞬間とかもあるし、反応を見るっていうこともそうかもしれないですけど。
市川
喜び…撮ってる瞬間もあるけど、でもなんか撮ってる瞬間って大体苦しいんですよ。苦しいってかリコも凄い楽しかったけど、これでいいのかなっていうのはずっとやっぱあるから。それがやっぱ見てもらって刺さったとか、ここがなんかグッときたとか、これが忘れられないとかって言われることが1番嬉しいかもしれないです。
畑中
作品が世に出て、実際に見てくれてる人の熱量みたいなのが嬉しい。
市川
うん、そうですね。なんかやってる時って、本当になんか正解がわからなくなるっていうか。
畑中
モニターも無いですもんね。モニター見てる側は、よりこう映ってるから良いとかなるんですけど。
市川
そう。
畑中
どういうアングルって全部、全然見れてないじゃないですか。
市川
全然見れてないし、毎回帰りにあそこのあのシーン、もっとこういう言い方あったんじゃないかとか、なんかそんなことばっかり考えちゃうんですよねみたいなことを、そういえば矢柴さんとかにも話して、そんなんばっかだよとか言ってましたけど、みんなそうなのかなとか思いつつ…ずっとその連続なんです。
畑中
いやでもな…それ僕はやってないから全部はわからないですけど、そういう悩みはあるよなと、なんて言うんすかね。満足はないだろう、しかもどこが使われるかわかんないじゃないですか。
市川
そうですね。
畑中
なんか今日俺1日全部完璧だったなんてあり得ないですし。
市川
そうなんですよ、なかなか自信ないと。でもそういう人もいるんじゃないですか。いるかもしれないけど、なんかずっとこれで良かったんだろうかみたいな中にいるので。しかもあんまり褒められないし、
畑中
まぁだからなんか満足が…満足に飢える職業ですよね。
市川
まぁそうですね。満足したら終わりなのかもしれないし、わかんないですけど。
畑中
役作りってするんですか?
市川
役作りは何を持って役作りなのかがわからないんですけど、考えはします。なんかその、やっぱリコも脚本の中以外のことを考えたりとか、やっぱ描ききれないじゃないですかその人たち、なんかそういうところを考えたりはします。
畑中
佐月ちゃんが、お父さん何割…
市川
あ、なんか聞きました。
畑中
遺伝子のお父さんが何割、お母さん何割な自分だろうみたいなことを考えましたみたいな話とか。なんかハッとしたというか、そこまで考えてなかったと思って、そこまで考えなきゃいけないけど、そこまで想像できてなかったというか。でも確かにそうだと、これはどっちの強めな子なんだろうとか、そういう想像までするって面白いなと思うし、もしかしたらその脚本に書かれてないこと想像するってこういうことなのかなと思って。
市川
なんかある意味それって、それが本当に正解か脚本家の人が思ってるか思ってないかは別として、本当にそのやる人がどこまで自分で想像できて、尚且つもうやる時はそれを捨ててできるっていうか、っていうのがなんか大切にしてて自分の中では、あまりにも自分で想像して、こうだこうだって思いすぎると、逆になんかこうやった時にちょっとそこは変えてって言われた時に対応できなくなっちゃうというか。そう、だからそこは自分の中にありつつも、もうちょっと自由でいようっていうことは意識してますかね。
畑中
なるほど。作品の重さにもよりますよね、どこまで…もしかしたらリコとかもう少しラフにいられるかもしれないし。
市川
そうですね。そう、だからなんか6話ね、侑美さんの回なんですけど、そこ結構難しくて色々想像したんですけど、畑中さんにもちょっと相談しましたよね。
畑中
もう俺も撮ってたから、もうちょっとこう…あの時期もうね、もう撮り出してました。でも確かに感情をどういう風に帰着させるのかみたいな事を
市川
難しかったけど、成立してんのかな。
畑中
いやいや、してます。今ねオフラインは終わって、編集は終わってて音とかの段階ですけど。面白い回になってる、まぁでも中島さんも面白い回なんで、2人がやっぱりプラモデルを作ってる時に、2人夫婦だなと思ってました、凄く。なんだかんだワーワー2人で言いながら、2人夫婦だなと見えてたんで、なんかあれは凄く良かったです。
市川
中島さんも凄い色々ディスカッションというか、なんかこう…そのシーンの解釈がどういう解釈をすればいい…する方向でいきますかみたいな話を、ちょっとしとかないと難しい話だったんですよね。それで結構シーンの前にそういう話をしたりとかして、中村さんも凄い寄り添ってくださったので、そこは凄い助かりましたね。
畑中
で、監督の中村さんと喋ってたって感じ、議論した
市川
そうそうそう、中村さんまた独特だから、個性豊かなんで。ちょっと面白い回でしたけどね撮影してて。
畑中
そうですね、面白い回ですね。突飛なというか。
市川
突飛ですね。
畑中
まぁリコってね、たまにあるんですよ。その、そういう回が。何話に1回、この味変とまでは言わないまでも、リコワールドならではのなんか飛ばし方とか、そういうのが許されるドラマでもあったりして、なんかストーリーが繋がってなくてもいい回みたいなあったりとか。僕らもそういう楽しみ方を作り方でしてると。
市川
連ドラならではですよね。
畑中
そうですね。その縦軸が凄いあるドラマでもないから、あとはリコの楽しさも、もうお客さんもわかってもらってるからこそ、このテーマで監督と脚本家が1個思うことを作ってくださいみたいな回がある。その回はちょっとそういうとこあったかもしれない。
市川
いや本当に脚本作るの凄いですよね。私本当にリコの脚本家の方々って凄いなと思いますよ。やっぱプラモデルとその人の人生っていうので、ちゃんとリンクさせて成立させてるのが凄いと思った。
畑中
なんか最終話面白かったですって言ってくれたじゃないですか。
市川
最終話?
畑中
はい。それですっごい安心しました。なんかずっと最後まで悩んでたんで。
市川
そうなんですね。
畑中
そう。で入稿したばっか位だったんですよ。入稿しちゃったから。それはそれで、もう直せなくて。で多分皆さんに言って、本がそう言ってくれて良かったと思って。
市川
いや、凄いもうこのリコはこういう割り方だよねっていう、しっくり来たっていうか。
いやでも今回凄い本早かったですよね。クランクインの時に来てましたよね。
畑中
早かったですね。
市川
そう。それがなんか私たち側からしたら、めっちゃやっぱりやりやすいというか、目指すところがちゃんとあったので流石ですねと思いました。
畑中
それでもプロデューサーチームの意思でした。
市川
そうなんですね。なんか前回は結構最後できなかったんですよね。
畑中
できなかったですね。やっぱりいろんなもの後手になるんですけど制作って、脚本が最初の段階でちゃんと全部あるっていうのが安心というか、に繋がる全て。それは作ってる側、スタッフも含めて安心になるから、とりあえず脚本は最後まで入れたいんですってめちゃくちゃプレッシャーかけられた。
市川
そうなんだ。
畑中
まだまだいいだろうと思いながら、でもなんか後半これもいけるかもみたいになっていったらもう全部入れようみたいな感じになりましたね。
市川
畑中さんはどこで書いてるんですか?
畑中
脚本ですか。でも今これBABELにいますけど、BABELの1階とかうるさいとこで書いてます。ロイヤルホストとか。
市川
周りがこう雑音があった方が書ける?
畑中
結構どっちかで言うと、人ちょっとうるさいとこに出てやらないと、やっぱ怠けちゃうというか。
市川
家とかだと
畑中
家もやりますけど、なんて言うんですかね。結構やっぱ1、2時間でできなくて、もうちょっとグーッと入らないとできない。なんかより、こう雑音で集中できるとこみたいなのでやってはいますけど。どこがいいんですかね、こういうのって。
市川
そうなんだ。やっぱ無から有を生む人は本当凄いと思います。
畑中
いやいやいや。リコはでも、こうやれば特に1が終わってですけど、リコがしっかりして、しっかりしてるって言い方あれですけど、リコがリコであると絶対楽しくなるんですよね。そういう意味だと、その感覚さえ捕まえちゃえば実はめちゃくちゃ難しいわけじゃなくて。リコがちゃんと、たまに言うんすよ打ち合わせで。リコがちゃんとリコであれば面白くなるっていう。彼女のやっぱキャラクターがしっかりしてて、そこを中心にみんなが回ってくるようになって、なんかそうなればなんかそんな難しくないというか、面白いですね。やっぱキャラクター、ドラマとか何もしないすけどねリコって
市川
でもなんかリコらしさって凄いありますよね。
畑中
そうそうそう。
市川
なんか私のセリフにも「リコらしい」とか結構言ってるんですけど、それってすっごい感じますね。
畑中
3のリコってどんな感じでした?
市川
3のリコは与田ちゃんまんまみたいな、自然の中で育ってる野生児みたいな印象ですよね。
畑中
結構ネットでもね、与田祐希そのままだみたいな話結構ある。
市川
なんか与田ちゃんがやりやすそう。やりやすそうというか凄く本人もなんか自分に1番近いでいこうって言ってましたけど、それはなんか凄い感じましたね。
畑中
今回は本当無理してない感じが特にするし。でも2って良かったのは、やっぱ横に旺志郎と望月くんがいて、まぁなんか凄く同期というか、同世代で逆にちょっと彼らが今回レギュラーでいなかった分、最初はちょっとこう、なんだろう。彼女のリズム的に固くなっちゃうんじゃないかなって最初思ってたんですけど、今回は逆になんか女の子家族というか。
市川
うんうん、そうなんですよね。
畑中
染まってていつの間にか
市川
矢柴さん1人なんですよね。それ忘れる位盛り上がってたからいつも。
畑中
ちょっとお父さん居づらいみたいなやつです、女家族。
市川
そうですよね。
畑中
そうそう、なんか凄い女の家族に、もういつの間にかそうなってて。だからお父さんがいじられるみたいな構造になってて。なんか与田ちゃんになんか、なんですか。演技の話とかしたことあるんですか、感情とか。
市川
演技の話…やったかな。そんな無かったと思う。
畑中
あんまでもそういう話しないっすよね。
市川
しないですね。あったかな?あったような気もしなくもないんですけど、思い出せない。
畑中
なんかあんまりなんか大変みたいな感じ、あんま出さないですよね。出さない、なんだろう淡々と、どんどん黙々と。
市川
でもちゃんと彼女思ってることあるんですよ。そう、ちゃんと考えてるし、肝が据わってます。
畑中
肝が据わってる。そういう意味だと主演っぽいすよね、そういうところは。
市川
めちゃくちゃ主演ですよ本当に。ついていきます!って感じです。
畑中
そうっすね確かになんか、ちっちゃくてね、そんな物をいっぱい言わないのに、みんながついてきますって感じになる
市川
不思議なボス感もありました。
畑中
不思議なボス感。
市川
もう本当に私も熊本さんと今回の侑美と全然違う人物、名前だけ一緒ですけど、全然違う人物だったから、全然なんか 2期の熊本さんを全く意識しないで
畑中
そうっすね
市川
やってしまったんだけど、ちょっと引きずった方がよかったのかな。どうなんですか?
畑中
いやいや、でも…これでもあれですかね、それがリコーワールドの面白さですかね。はい終了!みたいな感じでリセットでいくけど、でも結局残るんすよね、その人に対してもあれば。だから浅井はやっぱり浅井が残ってるし、それはやっぱお姉ちゃんの感じは熊本さんは残ってるし、僕それ位の残りが好きなんですよリコ。前のあれを意識してくださいとか全然無くて。絶対少しだけ受け継がれるんで、なんか犬塚さんとかも一期とかはもっと、もっと優しかったところキャラ的に。でもマギーさんの持ってるちょっと悪巧みな感じがどんどん、どんどん残ってて、もう最後の方なんかなんか悪役みたいになって、今回とか。
市川
なるほど。
畑中
それはやっぱマギーさんに残ってる何かなんで、だから凄い好きですけどね、こう変化だから。あとやっぱりなんていうんですかね、こうすぐやる時にやっぱやってる方も言い方あれですけど、飽きちゃうというか、飽きちゃうって言い方も変なんですけど、1以上のモチベーションを保つってことが難しい2って。型を作るのはできるんですけど、やっぱそれを超えてくって、むずいじゃないですか。なんか2って難しいじゃないですか毎回色んな…そこってやっぱぶつかるとこなんですよ。だからこういう仕組みにすると、また新しいもん作ってる気になるから、なんか真っ新な気持ちで1を抜きたいみたいな。ライバルにするとまぁ、だからなんかその仕組みは良かったなと思いますけど。
市川
面白い仕組みですよ本当に。でもこれもう最後なんですか?
畑中
一応最後の…もちろん一旦ね最後。そうしないとこれは終わんないと思う。いやでもあれなんすよね、その難しいですよね。みんなこのチームだったり、キャストさんとやりたいってのもあるし。でもそれぞれがみんな成長していくじゃないですか。それぞれのフィールドだったりとか、その時になんかまた一緒にこう揃えることも中々難しくなったりとか。なんかちょうどあのタイミングでこう出会うってあるじゃないですか。だからなんかそれを全く同じ形で続けてくことがいいのか、なんかでも大きな意味で、残して続けてった方がいいのかとか、めっちゃ僕曖昧なこと今言ってます。だからなんかそれは、この世界を壊したくないとは思ってます。けど、なんかそれをどういう形で続ければいいのかなってのは、なんか本当今模索中って感じです。
市川
そうですよね。でもなんか私は小向家がやっぱね凄い好きだから、小向家旅行編とかやりたい。
畑中
良いっすね、本当
市川
やりたい。
畑中
そういう方がやりやすい。
市川
スペシャルみたいな。
畑中
その方がなんか、みんながやりやすいかもしれないし。
市川
そうですね。
畑中
確かに、家族編とか。
市川
ムービー
畑中
おっ!やりたいですよね。
市川
ムービーやりたい。
畑中
結構言われるんですよTwitterとか。
市川
でもなんか映画っぽくないですか今回。
畑中
今回映画っぽい。
市川
なんかね
畑中
フィルムタッチだし
市川
だからか
畑中
よくみんなでモニターやりながら「松竹映画だw」とか言って。なんでこんな画角で撮ってんだって言ってたんで、今回中川さんは特にそういうフィルムタッチだった。
市川
確かに。
畑中
1話とか凄いそうですよ。
市川
1話とか見た時凄い思った。
畑中
深夜ドラマ感が凄い、深夜感が凄い。
市川
この雰囲気は映画に合うんだろうなとか思っちゃいますけどね。
畑中
凄い気持ちは受け止めています。そうですね、だからそうなんすよね。そう続けるんだ…続けるっていうか延長するんだったら、やっぱ小向家良いなと思ってます。3の あのキャラクターたちが凄く良いな、あの続きを見てみたいなとは、なんか多分みんなも思ってるような気がします。ちょっとどうなるかわかりませんが。で、また会えると良いなと。
市川
いや、本当にこちらこそですね。
畑中
2回も、しかもちょっと今回は体調の部分もあったのに。
市川
いや、もう全然元気なんで。
畑中
いや、よかったです。
市川
本当に、はい。
畑中
なんか最後、ここからこれだと2週目だから、もう6話流れてる位かもしれないですけど、後半戦っすね、になってく中で見所なのか全体でもいいんですけど、今回のリコの見所を。
市川
見所、最後そっか…まぁあんまり大きな事件が起きてこない小向家ですけど、ちょっとね最後に向けて、ちょっと大きな
畑中
確かに
市川
大きいですよね、でも。
畑中
大きいですね、大きいです。
市川
大きな事件、事件というか問題がね、出てくるんでそこを小向家はどう乗り越えていくのか、リコはどうするのか、って所が見所じゃないでしょうか。
畑中
2期は社長辞めちゃいましたから。
市川
辞めちゃいましたね。なんか、そうこの間中川さんも言ったけど、畑中さんの脚本って意外な所で着地するよねみたいな話をしてました。そうなんかまだ言えないけど、その香絵の話だったりとか、
畑中
あーなるほどですね。
市川
そうなんだみたいな。そうそうそう。そう言ってて畑中さんのあれなのかなみたいな中川さんが前言ってた。
畑中
確かに。なんかドラマ的はこうだよねってのも分かるんですけど、実はその反対の方が、現実はこうだよねっていうような気はしていて。でも現実はこうだよねっていう着地の時に、なんか本当のなんか感情が出るような気はしていて、それも別にバッドエンドじゃないんじゃないかなって思ってるって感じかもしれないですね。
市川
なるほど、なるほど。
畑中
確かにそうかもしれないです。
市川
そう。だからね今回それなんかね最後のラストシーン、ラストシーンというか最終話撮ってる時にその話してたんですけど、最終話のそのリコのねセリフもそうで、そうなんだっていう。
畑中
なんか最後、居間で撮りましたよね。居間じゃないか、あの広い部屋で★撮った★リコが自分の意思を言うみたいな。
市川
でもありましたね。
畑中
あれ凄い良いシーン。
市川
あれね、あれ良かったですね。
畑中
なんか与田さんに凄い気持ちが乗ってたというか、なんか本当にしんみりしたというか、してたというか、雰囲気めっちゃ良いなこのシーンと思って。
市川
思いが溢れてましたよね。
畑中
家族にとって大事なことを言ってくれてた。そうですね、だからリコらしい終わり方になるかもしれないですけど、でもなんだろう。でもなんか世界の出来事からすると、別に大した出来事じゃないって位。
市川
そうですね、そうそう。本当に小さな出来事なんですけど、ちょっとね、グッとくる お話が満載です。
畑中
ありがとうございます。そういうことなので後半はもう是非、ちっちゃなこととか、たくさん起こっていくので「量産型リコ」あとはもうちょうど流れてるのかもしれないですけど6話をもう一度見ていただく、何回も見ていただく…
市川
何回も見なきゃわかんない。
畑中
そんなこと…だから噛みしめた方が。あれっすよね、元々6話でやること1話分でやるようなことじゃない背景が背負ってる分、多分見てもらいたいです。ぜひ後半は楽しみにしていただければなと思っています。なんかあと最後に市川さんなりの告知とか…
市川
告知…今ないかな、リコ。
畑中
あとあれですよね、市川さんの「Artistspoken」毎週やってます。
市川
あ、そうですね!「I.M.A」は一応私は毎週金曜日の夜9時配信でやってるので、よかったら聞いてください。だらだら喋ってます。
畑中
意外とああいう方が音声って合うというか、聞いてると。距離感が全然違う感じなんで、番組じゃないと。
市川
友達と喋ってるみたいな感覚でやってますね。
畑中
ぜひそちらも、2週に渡って市川さんに今日来ていただき、ちょっと去年できなかった分、今年はと思って来ていただきました。ありがとうございます。
市川
ありがとうございました。
畑中
今後もまた侑美というキャラクターができたら、ぜひそこに。
市川
ぜひ。
畑中
お母さんになってるかもしれないし。次は何かわかんないですけど、そこの転生も含めて楽しみにしていただけたらと思います。ということで2週に渡ってゲストに市川さんを迎えてお話しさせていただきました。今回はありがとうございました。
市川
ありがとうございました。
BABEL Wave#24
《内容》
・俳優 市川由衣さんの役作り。脱皮したいという気持ちが芽生えた20代とターニングポイント
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・主演与田祐希さんの「不思議なボス感」
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畑中
はい、始まりました。「畑中翔太のはいカット!」この番組は、映画や舞台、ドラマなどなど、様々なエンタメコンテンツの裏側をゲストを迎えながら深掘っていく音声番組です。先週、女優の市川由衣さんに来ていただき、リコの話をシーズン2から3まで色々していただきました。多分あんまりどこの取材とかにも載ってない撮影の裏側みたいな話していただいたと思うんですけども、先週に引き続き市川さんに来ていただいてます、よろしくお願い致します。
市川
宜しくお願いします。
畑中
さっき40分位喋ってた
市川
ね、いつの間にか。
畑中
多分そういう話すると終わらないでしょ。
市川
終わらないですね。
畑中
本当はね、家族でやってほしいんですけどね
市川
確かにそれこそ終わらない。
畑中
そうですね、終わらない。
市川
わちゃわちゃって。
畑中
本当に良い家族がそのまま映像に出てるような気はしているので。今これが流れている時は5話位なんですけど、ここからまたそれぞれの家族の話とか、それこそ侑美の話があって、香絵の話とかがあって、最後家族の話になっていくという感じなんですけども、ちょっと今回はリコっていうのももちろんそうなんですけど、もうちょっと市川さん自身の話を聞いてみたいなと思いまして、この質問に“女優市川由衣のスタートについて”って書いたんですけども、お芝居やられてからはもう20年以上やられてます?
市川
そうですね、20年以上やってますね。
畑中
最初はどういうあれだったんですか、スタートだったんですか?
市川
お芝居ですか?元々グラビアをやってて、そこから元々女優志望、役者になりたかったので、それのステップアップと思ってグラビアをやったんですけど、1番最初に出たのは多分深夜ドラマで「渋谷系女子プロレス」っていう
畑中
プロレス!?
市川
そう、プロレスをするっていうドラマがあって、それのオーディションに受かって、何人いたんだろう?9人位女の子、渋谷系の女の子たちが集まってプロレス団体を作るみたいな話だったんですけど、実際にプロレスの練習して、ディファ有明っていう、もう無いのかな?なんですけど、そこで試合をする最終回みたいな。
畑中
なるほど。それがだから女子プロの話って事、ドラマ?
市川
そう、それが多分1番最初にやったドラマでした。
畑中
それがだから二十何年前とかですか?
市川
15、6だから。
畑中
15、6!?
市川
二十うん年前です。
畑中
それが最初で、そっからでもドラマも映画もずっとやっていったわけです?
市川
そうですね。
畑中
それこそあれですよ。撮影で言いましたけど「サイレン」2回見ましたよ。
市川
あー!ありがとうございます。
畑中
あれが映画の初主演ですか?
市川
あれは初主演で19歳とか18歳とか…
畑中
“SIREN”が好きでまず僕、ゲーム。
市川
あ、ゲーム?
畑中
はい、めちゃくちゃ好きで…だったのと、そのね、前ちょっと言いましたけど、若い頃市川さんのファンだった。その掛け算して、
市川
ありがとうございます。
畑中
2回見に行って、すっごい覚えてる。それは覚えてます凄い。
市川
「サイレン」ね、結構「サイレン」見てます、見ましたみたいに言われること多いですね。
畑中
めちゃくちゃ怖い映画だったじゃないですか。
市川
うんうん、堤幸彦監督の。
畑中
そう、すっごい覚えてるんだよ、怖かったなぁと思って。
市川
八丈島でロケして
畑中
八丈島で?あ、でもそういう感じ、そういうあれですもんね。
市川
うん、八丈島で撮ってました。
畑中
あれが主演でありつつ、でもやっぱね市川さんといえば「NANA2」とか、あれはあの辺って、でも何歳ですか?
市川
あの辺、多分20とかじゃないですか。19、20位ですね。
畑中
じゃあまだ、まぁでもお芝居やって4年とか。
市川
そうですね、まだ4年とかですね。
畑中
その時のスタイルと今って変わってるもんなんですか?
市川
めちゃめちゃ変わってますね。いや、やっぱり本当に若かったというのもあり、なんかこう根拠のない自信がありましたね。
畑中
若い頃?どういう感じ?
市川
なんだろう。なんか、なんだろうな。迷ってたんでしょうけど、なんか行け!みたいな感じでやってた記憶があって、その時その時は一生懸命やってたんですけど、もう今とか恥ずかしくて見れないです。
畑中
そういうもんなんですか。やっぱその過去の作品って
市川
みんな見れるのかな、もう私はもう恥ずかしすぎて見れないですけど。その時はその時の自分なりのベスト尽くしてはいるんですけど、ちょっと今恥ずかしくて見れない。
畑中
なるほど。
市川
そうですね。
畑中
いや、でも確かに女優とか俳優の方って、例えば僕らみたいなその表に立たない人って、自分のなんか過去のムービーですら見れないっていうか。別に見たくない、恥ずかしいじゃないですか。それがもう公共放送に乗って見てるじゃないですか。だからそこに対してこう…なんていうか、そう恥ずかしい、僕もやっぱ見れない…そう思っちゃうんですよ。でもそれをちゃんと、なんだろう、外からちゃんと見れる人もいるんだろうなと思って、昔のだと恥ずかしいです。
市川
恥ずかしい、私は。
畑中
いや、でも「NANA2」とかめっちゃ覚えてるもんな。
市川
いや、未だにやっぱり言われますけどね、有難いことに。
畑中
そういう意味だと、そのターニングポイントになったのも「NANA」もそうだったんですか?
市川
そうですね。でもその「NANA2」とかやって、あとその前に「ラフ」っていうあだち充さんの作品とかもやったりとかして、でなんかこう女子高生、なんかちょっとヒロインのライバル役みたいなこととか、若い頃はやることが多くて、でなんかちょっと、なんか役が似たような役が続くというか、そういう…なんだインパクトがあったりとかすると。でなんか自分的にちょっと嫌だなと思った時期があって、でいつまでもちょっとアイドル的な、アイドル女優みたいな、なんかあんまり多分役者として見られてないんだろうなって思う事とかもあったりとかして、なんかその辺がちょっと脱皮したいなみたいな感じではずっと20代はずっとそんな感じではありました。20、25位までそうだったかもしれないですね。
畑中
なんか役者さんってこう年齢によって、あとそのキャラクターによって、やっぱりその野球で言うカーブを投げてくれというか、毎回こう同じ球種を求められることってあるじゃないですか。そう、いや僕そういうの1回聞いてみたかったんですけど、やっぱりもちろん作品によって違うと思うんですけど、やっぱりどこかでこれやったなって思うもんなんですか。毎回最近こういうキャラだなとか。
市川
なんだろう。キャラとして捉えちゃうとそうだけど、1人1人、人間が違うようにその役 1人1人違うから、あんまこう…こういう役、こういうキャラみたいな感じでは捉えたくないけど、方向性的にそうだなみたいな。これを求められてんだろうなみたいなのが重なりすぎると、ちょっと変えたくなるっていうか。こういうのもできますよって見せたくなるんだけど、でもそれって私たちは貰う側だから、与えてもらう側だから、だからそこをアピールすることはできないので、口では言うことはできるけど、そういう役が来てほしいなっていうのをずっと思ってた時期もあった。
畑中
その20代って言っても結構なんかやっぱ似てる物も多くなるじゃないですか、その若さの頃って。そこからこんな役来るようになったんだってのはあるんですか?
市川
私が20後半、26、7位の時に「海を感じる時」っていう映画をやったんですけど、その映画が私の中では結構ターニングポイントになってて。今までやってきた凄く明るい映画ではなくって、文芸作品みたいな感じだったんですけど、ちょっと人の影の部分というか、あんまりこう内に秘めた部分を表現するような作品だったから、温度…なんか温度を求められるというか、湿度を求められるというか、なんかそういうお芝居を求められる現場だったんですよね。そこが私にとっては凄い、こういうアプローチもしていいんだって思えたし、こういう作品にどんどん関わっていきたいなって思った 1個の作品でもあります。
畑中
あの辺の…全部は追ってないですけど、印象とか少し僕も変わったイメージ。あれによってなんて言うんですかね、こういう市川さんもあるんだとか、こういう役でもいいんだっていう、多分いろんな方が思ったような気がしますし、それで多分またちょっと広がったんですよね。
市川
そうですね、そうですね。そこからまた変わりましたね。ちょっと来る役も変わったし、自分のなんか芝居に対してのスタンスもちょっと変わったし、そこかなと思います。
畑中
その、市川さん的にお芝居の1番なんて言うんですかね、喜びポイントってどこですか、撮ってる瞬間とかもあるし、反応を見るっていうこともそうかもしれないですけど。
市川
喜び…撮ってる瞬間もあるけど、でもなんか撮ってる瞬間って大体苦しいんですよ。苦しいってかリコも凄い楽しかったけど、これでいいのかなっていうのはずっとやっぱあるから。それがやっぱ見てもらって刺さったとか、ここがなんかグッときたとか、これが忘れられないとかって言われることが1番嬉しいかもしれないです。
畑中
作品が世に出て、実際に見てくれてる人の熱量みたいなのが嬉しい。
市川
うん、そうですね。なんかやってる時って、本当になんか正解がわからなくなるっていうか。
畑中
モニターも無いですもんね。モニター見てる側は、よりこう映ってるから良いとかなるんですけど。
市川
そう。
畑中
どういうアングルって全部、全然見れてないじゃないですか。
市川
全然見れてないし、毎回帰りにあそこのあのシーン、もっとこういう言い方あったんじゃないかとか、なんかそんなことばっかり考えちゃうんですよねみたいなことを、そういえば矢柴さんとかにも話して、そんなんばっかだよとか言ってましたけど、みんなそうなのかなとか思いつつ…ずっとその連続なんです。
畑中
いやでもな…それ僕はやってないから全部はわからないですけど、そういう悩みはあるよなと、なんて言うんすかね。満足はないだろう、しかもどこが使われるかわかんないじゃないですか。
市川
そうですね。
畑中
なんか今日俺1日全部完璧だったなんてあり得ないですし。
市川
そうなんですよ、なかなか自信ないと。でもそういう人もいるんじゃないですか。いるかもしれないけど、なんかずっとこれで良かったんだろうかみたいな中にいるので。しかもあんまり褒められないし、
畑中
まぁだからなんか満足が…満足に飢える職業ですよね。
市川
まぁそうですね。満足したら終わりなのかもしれないし、わかんないですけど。
畑中
役作りってするんですか?
市川
役作りは何を持って役作りなのかがわからないんですけど、考えはします。なんかその、やっぱリコも脚本の中以外のことを考えたりとか、やっぱ描ききれないじゃないですかその人たち、なんかそういうところを考えたりはします。
畑中
佐月ちゃんが、お父さん何割…
市川
あ、なんか聞きました。
畑中
遺伝子のお父さんが何割、お母さん何割な自分だろうみたいなことを考えましたみたいな話とか。なんかハッとしたというか、そこまで考えてなかったと思って、そこまで考えなきゃいけないけど、そこまで想像できてなかったというか。でも確かにそうだと、これはどっちの強めな子なんだろうとか、そういう想像までするって面白いなと思うし、もしかしたらその脚本に書かれてないこと想像するってこういうことなのかなと思って。
市川
なんかある意味それって、それが本当に正解か脚本家の人が思ってるか思ってないかは別として、本当にそのやる人がどこまで自分で想像できて、尚且つもうやる時はそれを捨ててできるっていうか、っていうのがなんか大切にしてて自分の中では、あまりにも自分で想像して、こうだこうだって思いすぎると、逆になんかこうやった時にちょっとそこは変えてって言われた時に対応できなくなっちゃうというか。そう、だからそこは自分の中にありつつも、もうちょっと自由でいようっていうことは意識してますかね。
畑中
なるほど。作品の重さにもよりますよね、どこまで…もしかしたらリコとかもう少しラフにいられるかもしれないし。
市川
そうですね。そう、だからなんか6話ね、侑美さんの回なんですけど、そこ結構難しくて色々想像したんですけど、畑中さんにもちょっと相談しましたよね。
畑中
もう俺も撮ってたから、もうちょっとこう…あの時期もうね、もう撮り出してました。でも確かに感情をどういう風に帰着させるのかみたいな事を
市川
難しかったけど、成立してんのかな。
畑中
いやいや、してます。今ねオフラインは終わって、編集は終わってて音とかの段階ですけど。面白い回になってる、まぁでも中島さんも面白い回なんで、2人がやっぱりプラモデルを作ってる時に、2人夫婦だなと思ってました、凄く。なんだかんだワーワー2人で言いながら、2人夫婦だなと見えてたんで、なんかあれは凄く良かったです。
市川
中島さんも凄い色々ディスカッションというか、なんかこう…そのシーンの解釈がどういう解釈をすればいい…する方向でいきますかみたいな話を、ちょっとしとかないと難しい話だったんですよね。それで結構シーンの前にそういう話をしたりとかして、中村さんも凄い寄り添ってくださったので、そこは凄い助かりましたね。
畑中
で、監督の中村さんと喋ってたって感じ、議論した
市川
そうそうそう、中村さんまた独特だから、個性豊かなんで。ちょっと面白い回でしたけどね撮影してて。
畑中
そうですね、面白い回ですね。突飛なというか。
市川
突飛ですね。
畑中
まぁリコってね、たまにあるんですよ。その、そういう回が。何話に1回、この味変とまでは言わないまでも、リコワールドならではのなんか飛ばし方とか、そういうのが許されるドラマでもあったりして、なんかストーリーが繋がってなくてもいい回みたいなあったりとか。僕らもそういう楽しみ方を作り方でしてると。
市川
連ドラならではですよね。
畑中
そうですね。その縦軸が凄いあるドラマでもないから、あとはリコの楽しさも、もうお客さんもわかってもらってるからこそ、このテーマで監督と脚本家が1個思うことを作ってくださいみたいな回がある。その回はちょっとそういうとこあったかもしれない。
市川
いや本当に脚本作るの凄いですよね。私本当にリコの脚本家の方々って凄いなと思いますよ。やっぱプラモデルとその人の人生っていうので、ちゃんとリンクさせて成立させてるのが凄いと思った。
畑中
なんか最終話面白かったですって言ってくれたじゃないですか。
市川
最終話?
畑中
はい。それですっごい安心しました。なんかずっと最後まで悩んでたんで。
市川
そうなんですね。
畑中
そう。で入稿したばっか位だったんですよ。入稿しちゃったから。それはそれで、もう直せなくて。で多分皆さんに言って、本がそう言ってくれて良かったと思って。
市川
いや、凄いもうこのリコはこういう割り方だよねっていう、しっくり来たっていうか。
いやでも今回凄い本早かったですよね。クランクインの時に来てましたよね。
畑中
早かったですね。
市川
そう。それがなんか私たち側からしたら、めっちゃやっぱりやりやすいというか、目指すところがちゃんとあったので流石ですねと思いました。
畑中
それでもプロデューサーチームの意思でした。
市川
そうなんですね。なんか前回は結構最後できなかったんですよね。
畑中
できなかったですね。やっぱりいろんなもの後手になるんですけど制作って、脚本が最初の段階でちゃんと全部あるっていうのが安心というか、に繋がる全て。それは作ってる側、スタッフも含めて安心になるから、とりあえず脚本は最後まで入れたいんですってめちゃくちゃプレッシャーかけられた。
市川
そうなんだ。
畑中
まだまだいいだろうと思いながら、でもなんか後半これもいけるかもみたいになっていったらもう全部入れようみたいな感じになりましたね。
市川
畑中さんはどこで書いてるんですか?
畑中
脚本ですか。でも今これBABELにいますけど、BABELの1階とかうるさいとこで書いてます。ロイヤルホストとか。
市川
周りがこう雑音があった方が書ける?
畑中
結構どっちかで言うと、人ちょっとうるさいとこに出てやらないと、やっぱ怠けちゃうというか。
市川
家とかだと
畑中
家もやりますけど、なんて言うんですかね。結構やっぱ1、2時間でできなくて、もうちょっとグーッと入らないとできない。なんかより、こう雑音で集中できるとこみたいなのでやってはいますけど。どこがいいんですかね、こういうのって。
市川
そうなんだ。やっぱ無から有を生む人は本当凄いと思います。
畑中
いやいやいや。リコはでも、こうやれば特に1が終わってですけど、リコがしっかりして、しっかりしてるって言い方あれですけど、リコがリコであると絶対楽しくなるんですよね。そういう意味だと、その感覚さえ捕まえちゃえば実はめちゃくちゃ難しいわけじゃなくて。リコがちゃんと、たまに言うんすよ打ち合わせで。リコがちゃんとリコであれば面白くなるっていう。彼女のやっぱキャラクターがしっかりしてて、そこを中心にみんなが回ってくるようになって、なんかそうなればなんかそんな難しくないというか、面白いですね。やっぱキャラクター、ドラマとか何もしないすけどねリコって
市川
でもなんかリコらしさって凄いありますよね。
畑中
そうそうそう。
市川
なんか私のセリフにも「リコらしい」とか結構言ってるんですけど、それってすっごい感じますね。
畑中
3のリコってどんな感じでした?
市川
3のリコは与田ちゃんまんまみたいな、自然の中で育ってる野生児みたいな印象ですよね。
畑中
結構ネットでもね、与田祐希そのままだみたいな話結構ある。
市川
なんか与田ちゃんがやりやすそう。やりやすそうというか凄く本人もなんか自分に1番近いでいこうって言ってましたけど、それはなんか凄い感じましたね。
畑中
今回は本当無理してない感じが特にするし。でも2って良かったのは、やっぱ横に旺志郎と望月くんがいて、まぁなんか凄く同期というか、同世代で逆にちょっと彼らが今回レギュラーでいなかった分、最初はちょっとこう、なんだろう。彼女のリズム的に固くなっちゃうんじゃないかなって最初思ってたんですけど、今回は逆になんか女の子家族というか。
市川
うんうん、そうなんですよね。
畑中
染まってていつの間にか
市川
矢柴さん1人なんですよね。それ忘れる位盛り上がってたからいつも。
畑中
ちょっとお父さん居づらいみたいなやつです、女家族。
市川
そうですよね。
畑中
そうそう、なんか凄い女の家族に、もういつの間にかそうなってて。だからお父さんがいじられるみたいな構造になってて。なんか与田ちゃんになんか、なんですか。演技の話とかしたことあるんですか、感情とか。
市川
演技の話…やったかな。そんな無かったと思う。
畑中
あんまでもそういう話しないっすよね。
市川
しないですね。あったかな?あったような気もしなくもないんですけど、思い出せない。
畑中
なんかあんまりなんか大変みたいな感じ、あんま出さないですよね。出さない、なんだろう淡々と、どんどん黙々と。
市川
でもちゃんと彼女思ってることあるんですよ。そう、ちゃんと考えてるし、肝が据わってます。
畑中
肝が据わってる。そういう意味だと主演っぽいすよね、そういうところは。
市川
めちゃくちゃ主演ですよ本当に。ついていきます!って感じです。
畑中
そうっすね確かになんか、ちっちゃくてね、そんな物をいっぱい言わないのに、みんながついてきますって感じになる
市川
不思議なボス感もありました。
畑中
不思議なボス感。
市川
もう本当に私も熊本さんと今回の侑美と全然違う人物、名前だけ一緒ですけど、全然違う人物だったから、全然なんか 2期の熊本さんを全く意識しないで
畑中
そうっすね
市川
やってしまったんだけど、ちょっと引きずった方がよかったのかな。どうなんですか?
畑中
いやいや、でも…これでもあれですかね、それがリコーワールドの面白さですかね。はい終了!みたいな感じでリセットでいくけど、でも結局残るんすよね、その人に対してもあれば。だから浅井はやっぱり浅井が残ってるし、それはやっぱお姉ちゃんの感じは熊本さんは残ってるし、僕それ位の残りが好きなんですよリコ。前のあれを意識してくださいとか全然無くて。絶対少しだけ受け継がれるんで、なんか犬塚さんとかも一期とかはもっと、もっと優しかったところキャラ的に。でもマギーさんの持ってるちょっと悪巧みな感じがどんどん、どんどん残ってて、もう最後の方なんかなんか悪役みたいになって、今回とか。
市川
なるほど。
畑中
それはやっぱマギーさんに残ってる何かなんで、だから凄い好きですけどね、こう変化だから。あとやっぱりなんていうんですかね、こうすぐやる時にやっぱやってる方も言い方あれですけど、飽きちゃうというか、飽きちゃうって言い方も変なんですけど、1以上のモチベーションを保つってことが難しい2って。型を作るのはできるんですけど、やっぱそれを超えてくって、むずいじゃないですか。なんか2って難しいじゃないですか毎回色んな…そこってやっぱぶつかるとこなんですよ。だからこういう仕組みにすると、また新しいもん作ってる気になるから、なんか真っ新な気持ちで1を抜きたいみたいな。ライバルにするとまぁ、だからなんかその仕組みは良かったなと思いますけど。
市川
面白い仕組みですよ本当に。でもこれもう最後なんですか?
畑中
一応最後の…もちろん一旦ね最後。そうしないとこれは終わんないと思う。いやでもあれなんすよね、その難しいですよね。みんなこのチームだったり、キャストさんとやりたいってのもあるし。でもそれぞれがみんな成長していくじゃないですか。それぞれのフィールドだったりとか、その時になんかまた一緒にこう揃えることも中々難しくなったりとか。なんかちょうどあのタイミングでこう出会うってあるじゃないですか。だからなんかそれを全く同じ形で続けてくことがいいのか、なんかでも大きな意味で、残して続けてった方がいいのかとか、めっちゃ僕曖昧なこと今言ってます。だからなんかそれは、この世界を壊したくないとは思ってます。けど、なんかそれをどういう形で続ければいいのかなってのは、なんか本当今模索中って感じです。
市川
そうですよね。でもなんか私は小向家がやっぱね凄い好きだから、小向家旅行編とかやりたい。
畑中
良いっすね、本当
市川
やりたい。
畑中
そういう方がやりやすい。
市川
スペシャルみたいな。
畑中
その方がなんか、みんながやりやすいかもしれないし。
市川
そうですね。
畑中
確かに、家族編とか。
市川
ムービー
畑中
おっ!やりたいですよね。
市川
ムービーやりたい。
畑中
結構言われるんですよTwitterとか。
市川
でもなんか映画っぽくないですか今回。
畑中
今回映画っぽい。
市川
なんかね
畑中
フィルムタッチだし
市川
だからか
畑中
よくみんなでモニターやりながら「松竹映画だw」とか言って。なんでこんな画角で撮ってんだって言ってたんで、今回中川さんは特にそういうフィルムタッチだった。
市川
確かに。
畑中
1話とか凄いそうですよ。
市川
1話とか見た時凄い思った。
畑中
深夜ドラマ感が凄い、深夜感が凄い。
市川
この雰囲気は映画に合うんだろうなとか思っちゃいますけどね。
畑中
凄い気持ちは受け止めています。そうですね、だからそうなんすよね。そう続けるんだ…続けるっていうか延長するんだったら、やっぱ小向家良いなと思ってます。3の あのキャラクターたちが凄く良いな、あの続きを見てみたいなとは、なんか多分みんなも思ってるような気がします。ちょっとどうなるかわかりませんが。で、また会えると良いなと。
市川
いや、本当にこちらこそですね。
畑中
2回も、しかもちょっと今回は体調の部分もあったのに。
市川
いや、もう全然元気なんで。
畑中
いや、よかったです。
市川
本当に、はい。
畑中
なんか最後、ここからこれだと2週目だから、もう6話流れてる位かもしれないですけど、後半戦っすね、になってく中で見所なのか全体でもいいんですけど、今回のリコの見所を。
市川
見所、最後そっか…まぁあんまり大きな事件が起きてこない小向家ですけど、ちょっとね最後に向けて、ちょっと大きな
畑中
確かに
市川
大きいですよね、でも。
畑中
大きいですね、大きいです。
市川
大きな事件、事件というか問題がね、出てくるんでそこを小向家はどう乗り越えていくのか、リコはどうするのか、って所が見所じゃないでしょうか。
畑中
2期は社長辞めちゃいましたから。
市川
辞めちゃいましたね。なんか、そうこの間中川さんも言ったけど、畑中さんの脚本って意外な所で着地するよねみたいな話をしてました。そうなんかまだ言えないけど、その香絵の話だったりとか、
畑中
あーなるほどですね。
市川
そうなんだみたいな。そうそうそう。そう言ってて畑中さんのあれなのかなみたいな中川さんが前言ってた。
畑中
確かに。なんかドラマ的はこうだよねってのも分かるんですけど、実はその反対の方が、現実はこうだよねっていうような気はしていて。でも現実はこうだよねっていう着地の時に、なんか本当のなんか感情が出るような気はしていて、それも別にバッドエンドじゃないんじゃないかなって思ってるって感じかもしれないですね。
市川
なるほど、なるほど。
畑中
確かにそうかもしれないです。
市川
そう。だからね今回それなんかね最後のラストシーン、ラストシーンというか最終話撮ってる時にその話してたんですけど、最終話のそのリコのねセリフもそうで、そうなんだっていう。
畑中
なんか最後、居間で撮りましたよね。居間じゃないか、あの広い部屋で★撮った★リコが自分の意思を言うみたいな。
市川
でもありましたね。
畑中
あれ凄い良いシーン。
市川
あれね、あれ良かったですね。
畑中
なんか与田さんに凄い気持ちが乗ってたというか、なんか本当にしんみりしたというか、してたというか、雰囲気めっちゃ良いなこのシーンと思って。
市川
思いが溢れてましたよね。
畑中
家族にとって大事なことを言ってくれてた。そうですね、だからリコらしい終わり方になるかもしれないですけど、でもなんだろう。でもなんか世界の出来事からすると、別に大した出来事じゃないって位。
市川
そうですね、そうそう。本当に小さな出来事なんですけど、ちょっとね、グッとくる お話が満載です。
畑中
ありがとうございます。そういうことなので後半はもう是非、ちっちゃなこととか、たくさん起こっていくので「量産型リコ」あとはもうちょうど流れてるのかもしれないですけど6話をもう一度見ていただく、何回も見ていただく…
市川
何回も見なきゃわかんない。
畑中
そんなこと…だから噛みしめた方が。あれっすよね、元々6話でやること1話分でやるようなことじゃない背景が背負ってる分、多分見てもらいたいです。ぜひ後半は楽しみにしていただければなと思っています。なんかあと最後に市川さんなりの告知とか…
市川
告知…今ないかな、リコ。
畑中
あとあれですよね、市川さんの「Artistspoken」毎週やってます。
市川
あ、そうですね!「I.M.A」は一応私は毎週金曜日の夜9時配信でやってるので、よかったら聞いてください。だらだら喋ってます。
畑中
意外とああいう方が音声って合うというか、聞いてると。距離感が全然違う感じなんで、番組じゃないと。
市川
友達と喋ってるみたいな感覚でやってますね。
畑中
ぜひそちらも、2週に渡って市川さんに今日来ていただき、ちょっと去年できなかった分、今年はと思って来ていただきました。ありがとうございます。
市川
ありがとうございました。
畑中
今後もまた侑美というキャラクターができたら、ぜひそこに。
市川
ぜひ。
畑中
お母さんになってるかもしれないし。次は何かわかんないですけど、そこの転生も含めて楽しみにしていただけたらと思います。ということで2週に渡ってゲストに市川さんを迎えてお話しさせていただきました。今回はありがとうございました。
市川
ありがとうございました。